前回からの続き。私(ユウコ)は、夫(マモル)と2人の子どもとの4人暮らしです。夫とは学生時代からの付き合い。優しい彼のことが、私は大好きでした。高校卒業後お互いに働き出してからも、お付き合いは順調。しかし私が職場でいじめとパワハラに遭ってしまい、仕事を辞めて家に引きこもるようになってしまったのです。そんなときに誰よりも力になってくれたのが夫でした。その後、私たちは結婚。家族のために夫が大学進学という夢を封印したことは知っていました。子育てが少しずつ落ち着き、社会復帰を果たすことができた私は、胸の中でいつも夫への恩返しのタイミングを見計らっていたのでした。
やっと言ってくれた! 私は心から嬉しかったのです。夫はずっとタイミングを見計らってくれていたのでしょう。優しい夫のことです。家族に迷惑をかけないようにするにはどうすればいいかを、たくさん考えてくれたはずです。
「本当にごめん。自分勝手なことを言っているのも分かってる」
と夫は謝りますが、この決断を反対する理由は、私にはありませんでした。私の方こそ、今まで本当にありがとう。私は夫のおかげで、ここまでやってこれたのです。
今、私は仕事がすごく楽しいのです。だから、大丈夫。これからもっとバリバリ働いて、夫のやりたいこと、叶えてほしいと思っています。そして何より、夫の本当の気持ちが聞けて、夫の力になれて、私は嬉しいのです。夫がどんな選択を言い出しても、私は受け入れます。それができるのは、私が夫の「本質」を信じているから。
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翌日……。
夫婦とは、不思議なものです。「いま」の夫婦をつくっているのは、過去の自分たち。
相手を信頼するのも、不審に思うのも、すべて過去からの積み重なった日々がそう思わせるのです。
そういう意味でも、夫婦のことは夫婦にしか分からない。
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今回私は夫を快く大学へ送り出しましたが、それを否定的に考えてしまう人もいるでしょう。
でもそれは、その人なりの積み重ねてきた日々があるからこそ、そういう感情に至るだけのこと。
100組の夫婦がいれば100通りに考え方があるのだと思っています。
原案・編集部 脚本・渡辺多絵 作画・よしはな 編集・石井弥沙
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