【高校ラグビー】灘中から異例 外部進学で花園初トライ 倉敷・宮崎凜「アレルギー治す薬作る」

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2024年12月29日 09:13  日刊スポーツ

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倉敷対九州学院 前半、倉敷・宮崎(中央)はボールを持って突進する(撮影・石井愛子)

<全国高校ラグビー大会:倉敷29−12九州学院>◇1回戦◇28日◇大阪・花園ラグビー場



京大理学部への進学を目指す秀才の逆転トライで、倉敷(岡山)が九州学院(熊本)を下した。8−12の後半6分と22分にWTB宮崎凜(3年)が連続トライ。日本屈指の進学校・灘中から内部進学を選ばず、倉敷でラグビーとの両立を目指した異色のラガーマンが試合を決めた。同校は22年に続く花園2勝目。文武両道を地で行く男が、次はチームを初の3回戦進出に導く。


    ◇    ◇    ◇


後半開始早々に逆転された嫌な流れを、倉敷WTB宮崎が変えた。後半6分に抜け出したSO成田からパスを受けて自身の花園初トライ。同22分には中央を破って勝利を引き寄せた。「みんながつないでくれたボールを絶対にトライする気持ちでいきました」。仲間の思いを背負って思い切りよく飛び込んだ。


日本屈指の進学校・灘中出身。中高一貫校において灘高進学が基本の中で、ラグビーにも力を入れたいと倉敷に進んだ。灘高を選ばない選択に、中学の担任からは「阪神・淡路大震災で実家が倒れてしまった人ぐらいだ、と言われた。珍しいというのは自分でも思います」と振り返る。


灘を離れても、目標の高さは変わらない。志望は京都大理学部。小学6年でアレルギーに苦しむクラスメートに出会い、自身も甲殻類や魚卵アレルギーを持つ宮崎には明確な目標がある。「世の中には好きなものを食べられない人もいると聞いている。そういう人のためにも、アレルギーを治す薬を作っていきたい」。


そのための努力は惜しまない。前日の27日は宿舎で4時間勉強。普段は午前3時起きで学習に励む。忙しい毎日だが、3年春で部活を引退する灘高を選ばなかったことで「夢のまた夢だった」という花園の舞台にも立つことができた。


「勉強も、ラグビーも、やっぱり仲間の力が大切。仲間がいるから『もうちょっと頑張ってみよう』となる。そこが結びついている部分」。チームワークも大切にする秀才は、この日坂出第一に勝った近大和歌山(和歌山)との2回戦も、間近に迫る入試も、積み上げてきた力で乗り越える。【永田淳】


◆宮崎凜(みやざき・りん)2006年(平18)5月2日、大阪府生まれ。阿倍野ラグビースクールで5歳から競技を始め、中学時は灘中(兵庫)でプレー。ポジションはWTB、CTB。目標とする選手は早大SO服部亮太。174センチ、76キロ。

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