年末年始といえば、多くの人が家族や親戚と過ごす時間を楽しみにしているのではないだろうか。しかし、なかにはそれが憂鬱だという人たちもいる。
今回は帰省で会うことになる親戚たちに“悩み”を抱える人のエピソードを紹介する。
◆帰省すれば自分のバリキャリ自慢、あまりにしつこい義理の姉
帰省が憂鬱でたまらないと話してくれたのは、専業主婦の成田璃子さん(35歳・仮名)。
「毎年、帰るたびに義理姉の自慢話を一生聞かされているんです。ずっと『すごいですね!』『羨ましい!』の連呼。これを言わないと機嫌が悪くなっちゃうから(苦笑)」
璃子さんの義理姉は3つ年上の38歳。外資系の保険会社で働き、年収は1000万円を超えている。
「それも別に聞いてないけど『まぁこれくらいかな』って自分から言ってくる。他にも貯金額とか、持っているブランド物の値段とか。投資用マンションも持っているんですが、その利率とかまで語ってくれます」
義理姉のバリキャリ自慢には、義両親達も苦笑いなんだとか。
「実の娘なのに『あの子、ちょっと変わってるよね』って結構真顔でいってます。旦那も呆れて、あまりに私にしつこいと『もういいだろ!早く結婚しろよ!』などと言い、大喧嘩になるっていう毎年のお決まりパターンです」
◆独身貴族かと思いきや…
義理姉の唯一とも言える弱点は、未婚であること。そこまでのバリキャリで貯金や投資物件まであるなら、悠々自適なおひとりさまかと思ったが、そういうわけでもないそうだ。
「自信満々かと思いきや、意外と独身なことをコンプレックスに思っているみたいで。義理姉の同期はキャリアもあって、エリートと結婚して、今は子供のお受験問題とかっていう感じらしく。同期から『あなた(義理姉)が気楽で羨ましい』などと言われることを、すごく気にしているそうです。その点、私は子供はいるけど旦那の年収が600万なのに専業主婦っていうスペックだから、見下しやすく色々言いやすいんでしょうね」
「年に1回だから諦めている」と話す璃子さんだが、唯一諦められないのが子供のお年玉。
「あんなにバリキャリ自慢するのに、娘にくれるお年玉は5000円(苦笑)。いやいや、1万円くださいよって」
◆知りたくなかった、義理兄の恋心「親友にカルティエのピアスをあげていて」
埼玉県在住の森田華さん(32歳・仮名)も、帰省が憂鬱な一人。こちらの原因は義理の兄だ。
「私の親友がスナックのチーママなんですが、義理兄がそこの上客なんですよねぇ(苦笑)」
華さんの友人は独身で彼氏なし。昼間はOLをしながら、奨学金の返済と貯金のためにスナックでバイトをしている……という“テイ” だ。
「本当はただ酒が好きなフリーターです。暇で働いているだけで、OLじゃないし、悠々自適な実家暮らしで、婚約者もいる。どちらにせよ、あと半年しか働く予定がないみたい」
なぜ義理兄が友人に熱を上げていることがわかったかというと、「友人に写真を見せられたから」だという。
「女子会でカルティエのピアスをしていたので『いいなぁ』という話になったら『客にもらった!イケメンな方なんだけど、相手は私にガチ恋なんだよねぇ』と見せられたLINEのアイコンが義理兄でした……」
友人は面白がり「一緒にのもうよー!」と誘ってきたそうだが、華さんは青ざめて「絶対に私が知ったことは内緒にして」と頭を下げたそうだ。
「実は義理姉から『旦那が浮気してるかも』『飲んでばかりで帰宅が遅い』と相談を受けていたんです。まさかその相手が私の友人だとは思いませんでした。私が知ってたことがバレたらどうなることか…」
こういった経緯もあり、正月の帰省が憂鬱なんだとか。
◆「私一人インフルエンザになりたい」
「すでに義理姉からは『お正月来るよね?華ちゃん夫婦からも旦那から色々聞き出してほしい』と言われてしまい、できれば帰省したくないんですよぉ」
華さんから友人に義理兄を出入り禁止にできないか?と聞くと「全然聞く耳を持たずです」と、ため息をついた。
「彼女の婚約者は今、海外で仕事をしているんですが、半年後には帰国して結婚する予定なんです。バイトも彼公認。しかも義理兄は今のところ、毎週2回はきてシャンパンも入れてくれて、たまにハイブランドのプレゼントもくれるし、なおかつお触りとかもない超良客らしく『最後まで引っ張りたい』と満面の笑みで言われてしまいました」
義理兄がお金だけ使って口説かないあたりも「本気かもしれない」と思ってしまう不安要素の一つだという。
「って言っても、義理兄の本心は知らないので。知りたくもないけど。とにかく、あと半年!友達がスナックを辞めるまで何もないことを願うばかりです」
だが、2025年のお正月の帰省を避けることはできず「私一人インフルエンザになりたい」と華さんは言っていた。
<取材・文/吉沢さりぃ>
―[年末年始の憂鬱]―
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720