<ラグビー・リーグワン1部:BL東京61−8相模原>◇第2節◇29日◇東京・味の素スタジアム◇観衆1万471人
2連覇を目指す東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)の日本代表FB松永拓朗(26)が、開幕2連勝に導いた。
三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原)に計9トライで快勝。第2節終了時点で首位に立ち「リーグワンでキックを蹴ることはあまりないですが、こうやって蹴れて、結果を残せたのは、1歩前に進めたと思います」とプレースキッカーとして手応えをつかんだ。
右隅、左隅と位置に関係なく、正確なキックで2点を刻み続けた。これまでは元ニュージーランド代表SOリッチー・モウンガ(30)が担ってきたが、足の不安を考慮して白羽の矢が立ったのが松永。5−5の前半11分に1本目のゴールキックを決めると、8本連続で成功させた。試合終了間際の9本目こそゴールポストに嫌われたが、9本中8本を決めて16得点。7−8で迎えた前半24分の逆転トライを含めて、計21得点でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。
リーグワンも今季は世界的試験実施ルールを用い、トライ後の制限時間が従来の90秒から60秒に短縮された。普段の練習時から60秒を計測し、30秒を使ってキックにもっていく自身のルーティンを確立させたという。蹴る前の大きな身ぶりこそないが、昨季まで1歩目をクロスさせていたのを、今季は前へ踏み出すスタイルとし「長く時間をかけられないので、シンプルにまとめています」と変化を明かした。スクリーンに残り時間の表示があるが、目をやることはなく「自分のルーティンに集中したいので、キックティーを持ってきてくれるコーチに(残り)時間をずっと言ってもらっています」と対策した。
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この秋は日本代表初キャップをつかみ、SOとFBをこなせる司令塔として今後も期待が懸かる。天理大で大学日本一、昨季もリーグワン制覇に貢献した26歳は「一貫性にこだわりたい。いい波、悪い波をなくしたい」と最長で25年6月まで続くシーズンを見据える。トッド・ブラックアダー・ヘッドコーチから「今後も伸びるしかないポテンシャルを秘めている」と評される男は、貪欲にレベルアップを目指す。【松本航】
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