TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
12月21日(土)の配信では「社内コミュニケーション」に関する相談に答えました。
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>
私の仕事場に、どう話をしても内容が伝わらない先輩がいます。私の伝え方もダメなのかもしれませんが、上手にコミュニケーションが取れません。その先輩とは話さないわけにもいかず、しかし、対処もわからずで、どうしたら良いか悩んでいます。こういう人の脳はどうなっているのでしょうか? また脳科学的に上手に付き合う方法がありましたらアドバイスが欲しいです。
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茂木:人間の脳は面白いもので、世の中をどう理解するか、どのようにして相手に物を伝えるかといったやり方が、人によって違います。僕もそうなのですが、“典型的な脳”というものがあります。「ニューロティピカル」と言いまして、神経学的に典型的な脳を持つ方々が社会の多数を占めています。そういう方々は自分たちの伝え方を共有しているので伝わりやすいです。
一方で、非典型な脳の方々は考え方やコミュニケーションのやり方が違います。そのことから、コミュニケーションがしづらいと感じてしまうわけです。ただ、おそらくですが相談者さんの先輩のほうは「自分が言うことは世間一般の人に伝わらない」と思っている可能性があるのですね。人によって個性があり、伝え方や伝わり方は異なります。ですから、これは仕方がないことです。
今はいろんな会社でダイバーシティー&インクルージョン(多様性と包摂)を大事にしていますけども、これは自分とコミュニケーションがうまくできない方といかに共存していくかという問題でもります。
では、脳科学的にどうすればいいのかという話ですけども、「共感を求めてはいけない」になります。共感を求めてしまうと、自分と同じ感じ方、考え方の人たちとしかつながれなくなりますよね。
脳科学ではセオリーオブマインド(心の理論)と言うのですが、自分のなかでモデルを作って「こういう風に言えばこうなるな」と学んでいきましょう。せっかく同じ仕事場に先輩がいらっしゃるわけですから、“自分とは違う考え方をする人”として学習させていただきましょう。
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また、共感している相手なら曖昧な表現でも通じるかもしれませんが、共感を前提にできない先輩に対してはそうならない可能性があります。曖昧ではなく、はっきりと伝えることでうまくいく可能性があります。
仕事というものは、個性の違う人が力を合わせてチームを作ることです。先輩と相談者さんが先ほど申し上げたようなことをできたら、きっと仕事もうまくいくと思います。ぜひ、そのようにポジティブに考えていただけたらなと思います。
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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/11745
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