セリエA第18節が29日に行われ、ユヴェントスとフィオレンティーナが対戦した。
ユヴェントスは前節終了時点で7勝10分と無敗を維持しているものの、引き分けの数が多い関係で、現在の順位は6位に甘んじている。前節は敵地でモンツァを2−1で破ったが、これが6試合ぶりの勝利だった。今後優勝に加わっていくためにも、今季3度目の連勝街道に乗りたい今節は、本拠地『アリアンツ・スタジアム』にフィオレンティーナを迎える。フィオレンティーナは前節終了時点で9勝4分3敗を記録し、消化試合数が1つ少ない状況ながら、ユヴェントスと同じ勝ち点「31」を獲得。得失点差で上回り、フィオレンティーナが5位につける。
5位と6位の上位対決は、序盤からユヴェントスがボールを保持する構図となる。序盤の5分には右サイドから仕掛けたフランシスコ・コンセイソンが左足でクロスボールを送り、中央で待っていたドゥシャン・ヴラホヴィッチがヘディングシュートを狙ったが、ここはわずかに枠を外れる。
続く20分にはピエール・カルル、マヌエル・ロカテッリを経由して、敵陣中央左寄りの位置でケフラン・テュラムにボールが渡ると、一気にドリブルで前進。テュラムは自らボックス内までボールを持ち運び、右足を振り抜くと、狙い澄ましたシュートがゴール左下に吸い込まれる。テュラムのユヴェントス加入後初ゴールで、ユヴェントスが先手を取った。
1点ビハインドとなったフィオレンティーナはなかなかチャンスの数を増やすことができていなかったが、38分には試合を振り出しに戻す。自陣左サイドに落ちてボールを引き出したヤシン・アドリがドリブルで前進し、スルーパスを通すと、抜け出したリッカルド・ソッティーレがボールを収める。マイナスへの落と氏を受けたアドリが右足でクロスボールを送ると、このボールがモイーズ・キーンの頭にピタリ。古巣相手にヘディングシュートを叩き込み、フィオレンティーナが同点に追いついた。
前半の終盤にかけてはユヴェントスがギアを上げて攻撃へ。41分には敵陣中央低い位置でのフリーキックを素早くリスタートさせ、ロカテッリからの浮き球パスにヴラホヴィッチが反応。胸トラップでボールを収め、左足を振ったが、ここはGKダビド・デ・ヘアが立ちはだかる。45分にはペナルティエリア手前の位置でクリアボールを拾ったロカテッリが、胸トラップから右足でミドルシュートを放ったが、ここは枠を外れる。
このまま1−1で後半へ折り返すと、立ち上がりの48分に再びスコアが動く。敵陣中央のスペースでロカテッリからのパスを引き出したトゥーン・コープマイネルスが左斜め前へ繋ぐと、駆け上がってきたテュラムがファーストタッチで相手と入れ替わり、GKデ・ヘアとの1対1を右足で制する。テュラムのこの日2点目でユヴェントスが勝ち越しに成功した。
その後はユヴェントスがボールを保持し、攻撃に転じるシーンをより多く作り出す。63分からピッチに立ったケナン・ユルディズや、82分から送り出されたニコラス・ゴンサレスらがゴールに迫る場面こそ作るも、決定的なシーンは少なく、1点リードのまま終盤に突入する。
だが、試合はこのままでは終わらない。87分、アンドレア・カンビアーゾが足を滑らせたところで、ジョナタン・イコネがボールを拾い、フィオレンティーナが敵陣でボールを奪い返す。右サイドに流れたルーカス・ベルトランからのクロスボールが中央のキーンに渡ると、反転から左足は振ることができなかったものの、こぼれ球に反応したリッカルド・ソッティーレが左足一閃。ニアサイドに強烈なボレーシュートを突き刺し、土壇場で試合を振り出しに戻した。
試合はこのままタイムアップ。ユヴェントスは土壇場の失点で今季3度目の連勝を逃し、セリエAでの無敗こそ維持しているものの、またもドローとなった。フィオレンティーナはセリエAでの連敗を2で止めている。
この後、ユヴェントスはサウジアラビアで行われるスーペルコッパ・イタリアーナに参戦し、2025年1月3日に準決勝でミランと対戦する。一方で、フィオレンティーナは4日、次節のセリエAでナポリをホームに迎える。
【スコア】
ユヴェントス 2−2 フィオレンティーナ
【得点者】
1−0 20分 ケフラン・テュラム(ユヴェントス)
1−1 38分 モイーズ・キーン(フィオレンティーナ)
2−1 48分 ケフラン・テュラム(ユヴェントス)
2−2 87分 リッカルド・ソッティーレ(フィオレンティーナ)