<ウインターカップ2024全国高校バスケットボール選手権:福岡大大濠77−57鳥取城北>◇29日◇男子決勝◇東京体育館
福岡大大濠が、3大会ぶり4度目となる全国の頂点に立った。
ノーシードから勝ち上がってきた鳥取城北を77−57で下した。日本代表にも選ばれた渡辺伶音(れおん=3年)は、16得点14リバウンドのダブルダブル。1年間磨いてきた3点シュートも要所で決めるなど、進化した姿を大一番で見せ、前回大会準Vで終わった雪辱を果たした。
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試合終了を告げる勝利のブザーとともに、渡辺は目頭を押さえた。涙ぐむ仲間と、泣きながら抱き合った。1年前の冬、銀メダルをかけて流した涙とは違う。「この1年間、ここの景色だけを目指して頑張ってきた」。悔しさを糧に、突っ走ってきた高校最後の冬はうれし涙だった。
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集大成を詰め込んだ。41−34の第2クオーター(Q)終了間際には「1年間で磨いてきた」と言う3点シュートのブザービーターを沈めて10点差。第3Qも立ち上がりから連続3点シュートを決めて突き放し、完全に流れを呼び込んだ。11月に高校生唯一で選出された日本代表活動でもホーバス監督から「打てるなら全部打ちなさい」と指導を受けていた。大一番での本領発揮に渡辺は「少しはプレーで体現できたんじゃないかな」とうなずいた。
悔しさから始まった高校最後の1年は、今秋のU18日清食品トップリーグで初Vを果たし、世代別、A代表にも招集された。日本バスケ界の未来を担うホープは「経験って言葉では片付けられないぐらい、いろいろな収穫があった」。最後には冬を制し「本当に仲間に恵まれた高校3年間だった」と振り返った。
「Bリーグの最前線で活躍出来る選手になる」と卒業後は大学に進み、さらなる成長を遂げる。そんな渡辺が見据える将来は「日本代表として絶対的に必要とされる選手になる。自分が世界に勝っていく。そういう姿を目指してまた頑張っていく」。身長206センチの18歳に秘められる可能性は無限大だ。【大島享也】
◆渡辺伶音(わたなべ・れおん)2006年(平18)4月2日生まれ、千葉県出身。柏市立土中時代は千葉ジェッツのユースチームなどでプレーし、福岡大大濠に進学。アンダーカテゴリーの日本代表を歴任。今年1月にはB2福岡に特別指定選手としても加入し、B2最年少出場記録を更新。父はオーストラリア人、母は日本人。206センチ、98キロ。
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