豪雪地帯での運転を甘くみていた20代女性。助けにきた警察官が驚いたワケ

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2024年12月31日 09:00  女子SPA!

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女子SPA!

※イメージです(以下、同じ)
 経験したことのない出来事が起こりそうなとき、そして、はじめての場所へ行くときなどに欠かせないのが、下調べ。

 そんな下調べを怠った結果、自分の乗った軽自動車よりも高い雪の壁に囲まれ、吹雪のなか立ち往生してしまったのは三雲彩音さん(仮名・20代)です。

◆「雪なんて余裕」と思っていた

 彩音さんが生まれ育ったのは四国エリアのある地域。雪が滅多に降らない温暖なエリアで、数センチ積もったときには大人も大はしゃぎするほど。そのため県外出張時に雪が降ったときなどは、嬉しさのあまり車を停めて外に出ることもあったようです。

「当時の私は、指定された都道府県へ行き、依頼されたことを遂行するフリーランスでした。だいたいは居住地の近くなので、雪とは縁のないところばかり。でも過去には、日本海側で雪のよく降る島根県や鳥取県へ真冬に行ったこともありました」

 ときには、道路の両端に退けられた雪が彩音さんの軽自動車より高く積み上げられていることもありましたが、スタットレスタイヤだけで十分。道路が凍っているときは怖いと思いながら走行することはあっても、雪で走行に困ったことはなかったのです。

「そのため、『雪なんて余裕』と高を括っていました。そんなとき、広島県の雪深い地域へ出張することになり、天気予報を見て『雪が降るのか』と悠長に喜んでいたのです。そして当日、私の住む地域でも珍しく雪が降りました」

◆雪の壁にズボッと車がハマる感覚が…

 そして目的地へ近づくにつれ、雪はどんどん強くなっていったのです。そしてついに、高速道路が雪のため通行止めに。途中で高速道路から降りるよう誘導され、一般道路を走行することになってしまいました。

「一般道路は、想像以上の積雪。でも、高速道路を降ろされたときはまだ、雪もそれほど本降りではなかったので、安全を確認しながら運転しました。ゆっくりと走行していると、いつの間にか前が見えなくなるほどの大吹雪。視界は、あっという間にふさがれました」

 そんなとき、前方から車がやってきます。どう考えても、お互いが端まで寄らないとすれ違うのは難しい幅しかない道路。彩音さんは雪の壁スレスレまで寄ろうと考え、左側にハンドルを切りました。その瞬間、ズボッと車が雪にハマる感覚があったのです。

「はじめての経験でしたが、これはヤバイと思いました。すぐにバックや前進を試してみましたが、タイヤが空回りする音だけが聞こえるだけで、車はまったく動かなくなってしまったのです。吹雪のせいで、車はどんどん雪に埋もれていきます」

◆シャベルを車に積んでおくのが常識だったとは

 前方からは、いつ車が来るかわからない状況。さっきまでは出ていたウォッシャー液も、噴射口が凍りついて出てくれません。パニックになった彩音さんは、携帯電話で近くの交番を探して電話。助けを求めます。

「事情を話すと警察官は、『シャベル、持ってないの?』と驚いた様子でした。雪の降る地域で育っていない私には、シャベルを車に積んでおくという知識はまったくなかったのです。警察官はすぐに来て、シャベルで救出してくれました」

 迷惑をかけたと反省していた彩音さんに、警察官は「雪が降る地域では、ウォッシャー液の噴射口が凍ってしまうこともよくあること。雪の予報が出ているときは、水筒にぬるま湯を入れて車に積んでおくといいよ」と親切に教えてくれたのです。

「あとから調べてみたところ、その地域は、一部が豪雪地帯に指定されていました。その地域へは何度も遊びに行ったことがあったので知ったつもりでいましたが、冬以外の季節だったため、それほど雪が降るとは思ってもいなかったのです」

◆雪道を走るなら、十分な備えを

 ガソリンやスマホの充電も驚くほど減りが早く怖かったという彩音さんは、「寒い地域へ行くときは、アルミシートやホッカイロは人数分以上に必携です。あと、雪で視界がふさがれて追突される恐れもあるため、三角表示板などの携帯も必要だと思いました」とアドバイス。

「そしてとくに雪の降らない地方から雪国へ旅行や出張するときには、事前にどういうことに気をつけるべきか下調べをし、こまめに天気予報のチェックや準備物の確認をしてほしいです。そしてできれば、日程を変更することをおすすめします」

 彩音さんはそれ以降、どこへ行くときも下調べは欠かさず、準備物も大袈裟だと笑われるぐらい念入りにしていると話してくれました。何かあってから後悔しても遅いので、「準備しすぎ」と笑われるのを覚悟でも備えておくことが大切だといえるでしょう。
<取材・文/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。X:@natukawanatumi5

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