エレコムがYouTuberと共同開発したバックパック「MNL CITY PACK」を3カ月使った率直な感想 再販されたらすぐチェックすべし!

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2024年12月31日 14:10  ITmedia PC USER

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約3カ月間、ほぼ毎日使ってきた「MNL CITY PACK」。あちこち行く際に使っていることもあって、短期間ながらもそこそこエイジングできたような気もする

 エレコムが8月20日、新ブランド「MNL(エムエヌエル)」の第1弾商品として、「MNL CITY PACK」というバックパック(リュックサック)を発表し、9月上旬に発売した。メーカーの想定販売価格は3万459円だが、直販サイトや一部ECサイトでは1万9800円で販売され、予約分でいったん販売を打ち切った販路も見受けられる。


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 発表会の際、エレコムから「ぜひ試してください」ということでMNL CITY PACKのサンプル品の提供を受けた。約3カ月に渡り、ほぼ毎日使ってきた率直な感想を述べてみたい。


●主張しないことは正義! オンとオフで兼用できることは正義!


 MNL CITY PACKは、「仕事と生活を自由に行き来する現代のライフスタイルに寄り添い、最適なデザインと機能を追求した、バックパック」を自称している。そのこともあり、ビジネスユースでもプライベートユースでも違和感なくなじむことが特徴だ。


 先述の通り、本製品はMNLブランドの第1弾製品だ。MNLには「Minimal(ミニマル)」「Mindful(マインドフル)」「Monologue(モノローグ)」「Modern Nomad Life(モダンノマドライフ)」の4つの意味が込められているというが、それを反映するかのように本製品の外観はミニマルだ。


 従来のエレコム製バッグ/バックパックなら、どこかにエレコムロゴかブランドロゴがタグとして取り付けられている。しかし、本製品では外から見える部位にロゴタグが存在しない。カラーがつや消しのブラックであることも手伝って、どこに持って行っても良い意味で“目立たない”。


 公私をハッキリと分けたい人は「オンとオフで持ち歩くアイテムを分けたい」と思うかもしれないが、自分は仕事の都合で「オンでもオフでも持ち歩くものを極力分けたくない(分けたくても分けられない)」ので、本製品のようなバックパックは大歓迎だ。


●PCやタブレットをしっかり守ってくれるのはいい


 MNL CITY PACKには、大きく2つの気室(内部の部屋)が用意されている。背中側にあるPC用の気室にはノートPC(最大15.6型)や周辺アクセサリー類、薄手の書類を収納できるようになっている。


 ノートPCの収納に対応してるビジネスバッグやバックパックの場合、ノートPCをしっかりと守るべく上下/左右にクッション材を備える傾向にあるが、本製品は背面から見て左側をあえて“オープン”な設計としている。ノートPCを取り出しやすくするためだ。


 かといって、ノートPCがしっかり守られないかといったらそんなことはない。下手なバック/バックパックと比べると守りはむしろ厳重だ。前後からの圧力も適度に逃がしてくれるので、主室の中身がパンパンだったり、背中側から大きなプレッシャーがかかったりしてもノートPCが破損することは(おそらく)ない。


 主室にはタブレットを収納するポケットが用意されている。ノートPCとタブレット、あるいはノートPCを2台持ち運ぶ際に使うと便利だ(2台を同時に持ち運ぶ人がどれだけいるのか、という議論はさておき)。


 この主室だが、ファスナーを全開にすると“ガバッと”開けることができる。副室内にあれこれ入れる人にとってはありがたい設計だ。


●たくさんあるポケットも何気に便利


 MNL CITY PACKの主室/副室と外装にはたくさんのポケットがある。ガジェットを複数持ち運ぶ際に、ケーブル類などを収納するために別途ポシェット類を用意してるという人もいるかと思うが、本製品の場合はポシェット類を用意しなくても整頓しつつ収納可能だ。


 特に、上部にある「トップファスナーポケット」、左右に“互い違い”に設置された「フロントファスナーポケット」、そして水筒やボトルを収納できる「サイドボトルポケット」はとても便利で、多用している。


 ポケットは主室/副室内にあるものを含めて10個以上ある。これらをどう活用するかは、使う人次第だ。


●背負っても疲れない 持つのも楽


 バックパックを長時間背負っていると、肩の部分が痛くなったり、夏場だと背中が蒸れてしまったりしがちである。これらのデメリットを鑑みて、バックパックを使わないという人もいるくらいだ。


 しかし、MNL CITY PACKは背面パッドの配置に工夫を施すことで背負った際の体への負担を軽減しつつ、背中に生じがちな蒸れを抑制している。蒸れは完全に抑制できる訳ではないが、一般的なバックパックと比べるとひどいことになりにくいことは確かだ。ショルダーバンドも工夫されているので、長時間背負っていても疲れにくい。


 特に都市部における満員電車に乗る際に、バックパックを背負っていると乗降の邪魔になったりすることもある。そこで前方で抱えたり手で持ったりすることもあると思うが、MNL CITY PACKは前抱えにも手持ちにも配慮された設計となっている。


 手持ちするためのハンドル(持ち手)は上部と左右側面に付いており、「ハンドル、どこにあったっけ……?」と迷うこともない。とりあえず“持てる”というのは強い。


●困ったこともある(使い方の問題)


 いろいろ“いいことずくめ”なMNL CITY PACKなのだが、個人的に困っていることもある。主室の収納能力だ。


 本製品は約21Lと、まあまあ大きいのだが、PC気室がカッチリと作られているせいか、主室の“厚み”が若干足りないように感じる。というのも筆者は2〜3泊程度の出張や旅行では衣類や下着をバックパックに“詰め込む”ことが多いのだが、入れる衣類の種類にもよるのだが、普段使っていたエレコムの「off toco DGB-S043BK」(生産終了済み)からカメラパーティションを取り除いた時と比べてうまく収まらないのだ。


 「もうちょっと厚みがあればうまく収まるのに……」とは思うものの、おそらくそうすると本製品の絶妙なバランス感が崩れてしまう気がしなくもない。1泊程度の衣類なら問題なく収まるので、2泊以上する場合はサブバッグを用意すればいいかなとも思う。


 また、トップファスナーポケットやPC室内のアクセサリーポケットについて、入れるものによっては主室側に“出っ張ってしまう”のも気になる。前で抱えて主室から荷物を取り出す際に、若干困ってしまうのだ。


 ここは設計上のトレードオフで、「こちらを立てればあちらが立たず」の典型例だといえる。バックパックの設計って、難しいのだなと改めて思う次第である。


●エレコム製バックパックの最高傑作 再販に期待


 最後に筆者の使い方に起因する難点も挙げたものの、MNL CITY PACKは間違いなくエレコム製バッグパックの最高傑作だと思う。ビジネスでもプライベートでも(少し言い方を変えればオンでもオフでも)使いやすいバックパックというのは、それだけでもありがたい存在だ。


 従来の同社製バッグパックと比べると、値は若干張るものの、特にPC室における浸水リスクを大きく軽減できている上に、背負っても疲れづらいし蒸れにくいのは本当に良い。一部の販路では売り切れ中だが、買える場所を見つけたら、今すぐにでも確保しておくべきだと考える。


 願わくば再販を期待したいし、筆者のような「大荷物持ち」にも優しいバリエーションモデルが出てくれるとうれしいな、と思う大みそかなのであった。



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