今なお血統表で存在感放つ「ブライアンズタイム」 その特徴と能力に与える影響は

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2024年12月31日 18:30  netkeiba

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母父がブライアンズタイムのエスポワールシチー(撮影:高橋正和)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【ブライアンズタイム】

 差し脚を武器にフロリダダービー(米G1・ダ9ハロン)、ペガサスS(米G1・ダ9ハロン)など制覇。日本で種牡馬入りし、初年度産駒からナリタブライアン(三冠、有馬記念、朝日杯3歳S)とチョウカイキャロル(オークス)を、2年目にマヤノトップガン(菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)、宝塚記念)を出しました。

 1990年代後半からの数年間、サンデーサイレンス、トニービン、ブライアンズタイムの種牡馬3頭を“御三家”と称し、1996年以降の7年間でこの3頭が総合種牡馬ランキングのベスト3を6回占めました。その後、サンデーの一強体制に収斂していくなかで、ブライアンズタイムはダート方向に傾いていき、タイムパラドックス、フリオーソをはじめ多くの砂の猛者を生み出しました。馬場の改良も相まって、スピードと瞬発力が求められる競馬が増えていくと、サンデーサイレンスに対抗するのは難しかった印象です。

 ロベルトとリボーという底力満点の血を併せ持つため、スタミナを必要とするビッグレースに強いという特長がありました。サニーブライアン(皐月賞、日本ダービー)、タニノギムレット(日本ダービー)、シルクジャスティス(有馬記念)、ファレノプシス(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯)、シルクプリマドンナ(オークス)、ノーリーズン(皐月賞)、ヴィクトリー(皐月賞)、ダンツフレーム(宝塚記念)、マイネルマックス(朝日杯3歳S)といったGI馬を出しています。

 直系の孫に女傑ウオッカ、母の父としてはダート王エスポワールシチーを出しています。近い世代にブライアンズタイムの血を持つ馬は、ダート競馬における信頼感が高まります。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「2025年に産駒がデビューする新種牡馬にはどんな馬がいますか?」

 2024年のJRA新種牡馬ランキングは、1位サートゥルナーリア、2位ナダルで確定しました。最後のホープフルSでサートゥルナーリア産駒の13番人気クラウディアイが5着に食い込み、賞金を700万円上積みしたことでナダルを逆転する、という劇的な展開でした。JBISの集計ではわずか650万3000円の差です。この2頭は非サンデー系です。

 2025年に産駒がデビューする新種牡馬で最も注目すべきは三冠馬コントレイルでしょう。初年度の血統登録頭数は130頭と多く、繁殖牝馬の質、産駒のデキも抜群。育成牧場からは、いい意味で産駒に軽さがあり、ほぼ間違いなく走ってきそう、との声が伝わってきます。2024年のチャンピオンサイアーとなった同じノースヒルズの生産馬キズナにどれだけ迫れるか、あるいは超えてくるのか注目です。

 ダートではクリソベリルに注目です。父は砂の名種牡馬ゴールドアリュール、母は名繁殖牝馬クリソプレーズ。現役時代に帝王賞、JBCクラシック、チャンピオンズC、ジャパンダートダービーといったビッグレースを制覇しました。初年度の血統登録頭数は112頭。コントレイルと同じくノーザンファームの手厚いバックアップを受けています。この2頭はいずれもサンデーサイレンス系です。

 この他、ダノンスマッシュ、ダノンプレミアム、ミスチヴィアスアレックス、マテラスカイ、ベンバトル、インディチャンプ、フィレンツェファイア、キセキ、ダノンキングリー、ポエティックフレアなどがいます。

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