過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2022年1月1日 記事は取材時の状況) * * *
影響力のあるインフルエンサーのひろゆき氏。初めて子育て論を上梓した『僕が親ならこう育てるね』も続々重版を重ね、注目を集める。そんな彼が今回、子どもに渡すお年玉について語ってもらった。
◆お年玉の正しい渡し方とは?
お正月といえば、お年玉。僕は海外生活をしていることもあり、誰かにお年玉をあげた経験がありません。なので、お年玉のことを考えたこともないのですが、お年玉をあげる際に、やらないほうがいいなと思うことはあります。
それは“親しさを金額に織り込む”行為です。これをすると、人によって渡している金額の差があることを知られたとき、親しさが数値化されてしまうからです。
子どもがそれを知れば凹むこともあるし、その子どもの親が知った場合ももらった人との距離感が面倒くさいことになりかねません。
◆もらった金額に対して感謝するものではない
もし僕がお年玉をあげるとしたら自分が子どものころにもらっていた「年齢×1000円」にするでしょうね。これを徹底すれば、人によってお年玉の額面に差をつけるなど、いちいち面倒なことを考える必要もありません。
もちろん金額は「年齢×2000円」など経済力に合わせて変えていいと思います。しかし、物価が上昇しているからといって一概に金額を上げるのは少し違います。
お年玉はもらった金額に対して感謝するものではなく、モノをもらったらお礼を言うという文化の問題だからです。
◆電子マネーで渡すのはいかがなものか、と
昨今はいろんな場所で電子マネーを使えるようになっているので、お年玉を電子マネーで渡すみたいな話もあります。もちろん子どもが電子マネーを使う行為は問題ないと思います。でも、お年玉の目的は“お金を渡すこと”ではなく、「お年玉」という季節の風物詩を経験させ、日本の伝統行事を知ることです。
だから、電子マネーで渡すのと、それは伝統行事ではなく、ただのお小遣いになってしまう気がするのです。そう考えると、やはり現金で渡すがいいですよね。
◆お年玉は「お金の勉強」の好機
電子マネーをお年玉のように渡す、例えば電子マネーをチャージしたQRコードを印刷してお年玉袋に入れる人もいるようですが、それはイベントとしてはよろしくないのではないかと思うのです。
ほかにも、お年玉はさまざまなことを学べる機会になります。
例えば、お年玉を貯金させて翌年の残高に10%の利息をつけるというルールを設けている家庭もあって、お金の勉強として、こういうのはいいと思うのですね。
◆郵便貯金でコツコツ貯めていたお年玉は…
ちなみに、僕も利息はなかったものの子どものときにもらったお年玉を郵便貯金にずっと貯めていました。でも、そのお年玉はすべて親に使われていましたけどね。
それを知った当時はもう成人していたので「そんなもんだよねぇ」と納得はできたし、別の意味で勉強になりました。もちろん、子どものころに知ったら怒っていたのでないかと思いますが。
最近は年賀状を書かない大人も多いです。別に書かなくてもいいと思うのですが、子どもには年賀状という伝統行事があることを理解させたうえで、継続するかどうかを決めさせたほうがいいと思っています。
お年玉も年賀状と同じ。電子マネーにするのは、子どもが伝統行事を理解をしてからでも遅くはありません。お年玉は、伝統行事を学ぶためにいい機会だと思うのです。
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』