離婚をして向こうの赤ちゃんが生まれたくらいになると、赤ちゃんの世話に追われているのか、元夫から「ミウに会いたい」と連絡が来ることはなくなっていました。ミウも父親に会いたいとは言いません。しかしこの狭い地域のためか、ミウが私の両親の援助で私立の中学校に入ったことが、元夫の方に伝わったようなのです……。
こんな常識はずれな電話がくるなんて思いもしませんでした。不倫した立場で「うちの子が私立行けないんで、お宅もやめてください」なんて言いますか? とことん非常識な元夫とその周りに、離婚して良かったと心底思ったのです。けれどこのあと……。
少し経つと、元夫から養育費が振り込まれなくなりました。元夫に連絡してみると「余裕がないし払えない」という返事。再婚した相手の実家はかなり繁盛している飲食店だったはずなのに……。全く意味がわかりません。
実家も元義実家も同じ市にあるため、噂は広まるもの。私の母が近所の人に聞いた話によると、なんと元夫の奥さんの実家の商売は客商売なだけあって、不倫したうえに子どもができて結婚したこと、そして私に対して不誠実な対応をしたと広まって、客足がどんどんと遠のいたようです。
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元夫は家族4人の生活費を支払えないどころか、自分の生活もままならない様子。だからこちらの養育費も支払えなかったのでしょう。
このまま取り立てても今は養育費をもらえる可能性が低いし、どうしようもありません。
だから私は「元夫はミウの父親であることを放棄した」のだと頭を切り替えました。
元から父親らしいことをしてこなかったんだし、今まで養育費を支払っていただけでも奇跡だと思おう。そう頭を切り替えないと、怒りでどうしようもなくなりそうでした。
【第3話】へ続く。
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