2025年は寒波到来「これを買えば間違いなしの防寒靴」4選。“真冬でも寒さ知らず”のスニーカーも

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2025年01月01日 16:01  日刊SPA!

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ソレル「カリブー ウォータープルーフ」。2万4200円。写真は公式HPより
こんにちは、シューフィッターこまつです。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。
夏の猛暑の次は、寒波です。2月まで寒さが続く予報なので、あればとても便利な防寒靴を紹介します。筆者は北海道で育ったので、寒さのなんたるかは知っています。子供のころは「スノトレ」といわれる雪道用の運動靴で過ごしましたが、中学以降は校則で禁止。知恵を絞っていろんな方法を試しましたが、本当に寒かった。令和の現在であれば防寒対策はし放題なのです。今回は寒さのレベル別に紹介しますので、生活スタイルに合った靴を選んください。

◆寒さレベル1:摂氏10度前後。年中使える無敵のニューバランスの進化版「CM996 GTX」

都会の冬で気温10度前後に加えて、強風にも負けない靴といえば、ゴアテックス製品一択です。なかでも年間通して使えて、足も疲れない、服も選ばないという点で、圧倒的にニューバランスの「CM996 GTX」がおすすめ。

ニューバランスの名作「CM996」のゴアテックスバージョンで、一見すると完全防水・防風仕様には見えませんが(本当にわかりません!)、まぎれもなくゴアテックスを使っています。

ゴアテックスに代表される完全防水・透湿のハイテク繊維は、寒さのなかでこそ強さを発揮します。足の冷えの大敵は、実は蒸れ。冬でも知らない間に足は汗をかくので、風が入ってくると気化熱で一気に体温を奪われるからです。そこで風も防いで、中の蒸れもじわじわ放出するゴアテックスが活躍するというわけ。ゴアテックスって実はあったかいんですよ。

価格が1万9800円と少々高く感じますが、長い目でみると十分にリーズナブル。ノーマルの「CM996」が昨今の値上がりで1万6280円となり、差がなんと3000円しかありません。おそらく今後かなりの値上がりが予想されるので、今のうちに買っておくのがおすすめ。ヒールが削れても、街中のリペアショップで両足2000〜3000円で直ります。ミッドソールの「C-CAP」も加水分解しない素材なので、相当長持ちするはずです。

◆寒さレベル2:摂氏一桁台。寒さ知らずのセンタージップブーツ「ダナーフィールド アール」

都内の夜や、北海道の日常の気温であれば、足首まで覆うブーツが圧倒的におすすめ。寒いときは「体の三首を冷やすな」と言いますが、そのひとつが足首。しかしブーツは脱ぎ履きがたいへんで、という方には、こちらがいいでしょう。

筆者も愛用する名作「ダナーフィールド」の新作です。一目瞭然ですが、センタージップで一瞬で脱着できます。そうでありながら、本体は本格アウトドアブーツ。底周りもステッチダウン製法で、足馴染みがめちゃくちゃにいい。本格ブーツなのに、履きならす必要がほとんどありません。通常のファスナーがついているブーツは、ファスナーが壊れてしまったら、基本的に靴自体も寿命です。厳密にはファスナーを修理すればまだ使えるのですが、15年以上靴のリペアをやっていた経験から言えば、ファスナー交換修理は2万円前後と高額になることに加え、靴を解体するので本体の強度も圧倒的に弱くなります。

ところがこのモデルの場合、ファスナーが別ユニットで脱着可能なので、たとえこわれても交換すればOK。コスパが半端なくいいのです。もちろんユニットを外して紐で縛り上げるのも可能。加えてゴアテックスの本体は、極厚レザーと超強化ナイロンのアッパーで、ソールはビブラム社の最新版とくれば、雨や雪、泥道にも対応しています。温かいだけではなく、台風や万が一の震災のときでもまちがいなく活躍するでしょう。

◆寒さレベルMAX:摂氏マイナス10度。北海道もアラスカもOK。マイナス40度対応「カリブー ウォータープルーフ」

北海道では、寒さに慣れていない観光客であれば凍傷になりかねない気温です。最強の防寒ブーツといえば、ソレル「カリブー ウォータープルーフ」。

40年以上変わらないデザインですが、防寒の一点に関してはこのブーツに勝てるモデルはないでしょう。もはやアップデートの必要がない完成品です。公式発表でもマイナス40度まで大丈夫と謳っています。足首から先は強度のある加硫ゴム、ブーツの部分は防水ヌバックに加え、すべてのミシン目の裏には防水テープが貼られている徹底ぶり。極めつけが本体が二重構造になっていること。

直接足に当たる部分は、独立した極厚のフェルト製。本体で水と寒さをブロックし、中も何層も空気がたまる徹底ぶりです。故・忌野清志郎も北海道ツアーの時にあまりの寒さに音を上げ、衝動買いしたソレルに感動した逸話はマニアの間では有名です。マイナス40度は北海道でもなかなか体験できませんが、アラスカでオーロラを見たい方にはうってつけでしょう。

◆部屋の中が寒いなら。洗える、軽い、暖かい。冬の必需品。ミズノ・断熱撥水「ルームブーツ」

断熱気密に劣る日本の住宅環境では、「家のなかが一番寒い」という笑えない話があります。そんな家のなかで、ボアのついている格安スリッパは、想像以上に寒いです。アクリル素材のボアは、汗をはじくので見た目とは裏腹に温かくはなりません。ルームシューズならこちらがおすすめ。ミズノの断熱撥水「ルームブーツ」。価格もお手頃の1980円。

足首まで覆うブーツタイプで、中が体温を反射するアルミのラミネート加工が画期的です。

コタツからなかなか足が出せないという冷え性の方でも、これは効きます。体温をアルミで反射させて、ふくらはぎもコードで冷気を完全にシャットアウトできるので、寒さとは無縁。ミズノは最近ライフスタイルに注力していて、アンダーウェアからなんと掛布団まで開発しています。冷えは体の敵、ということをよくわかっているスポーツメーカーならではの発想ですね。冷たいフローリングの上も平気で歩けます。

このルームシューズも軽く、洗濯機で洗うことも可能なので冬になると必ず売り切れるロングセラーです。

体が冷えてしまうと筋肉も靱帯も固くなり、ケガをしやすくなります。健康やダイエットのために歩こうと思っても、散歩や旅行先でケガをしてしまっては泣きっ面に蜂。まだまだ寒さは残りますし、防水シューズなら年間使えるので、あるのとないのとでは大違い。日本はもう真夏か真冬かの2極化が避けられませんので、防寒も兼ねて1足用意するにはいいタイミングだと思います。

【シューフィッターこまつ】
こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ」

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