「俺は漁師をがんばるしかない」ズワイガニ漁 水揚げができる喜びと不安 能登半島地震

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2025年01月01日 17:27  TBS NEWS DIG

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輪島朝市の名物の一つが北陸の冬の風物詩「カニ」です。地震の爪痕が色濃く残る中で解禁されたカニ漁に密着しました。

【写真を見る】「今でも不安だらけ」ズワイガニ漁 水揚げができる喜びと不安

地震前の6割程度しか漁に出られない… 海底隆起で打撃 ズワイガニ漁に密着

輪島市で30年以上、底曳網漁を続ける沖崎勝敏さん(50)。

漁師・沖崎勝敏さん
「(今年のカニ漁は)5回目かな。きょうはちょっと時化。カニを獲れればいいなと思って出ている」

船を走らせること3時間半。
日が沈んだ午後6時、漁が始まります。

ズワイガニ漁は、約200メートルの海底に網を入れ、1時間ほど船で引っ張ります。

Q.多くないですか?
「小さいのが多いのではないか」

資源保護のため小さなカニは海へ返されます。

漁師・沖崎勝敏さん
「今でも不安だらけ。まだ港が全然良くなってないし。何度か(漁に)出られているけど…早く良くなればいいなと思うけれど、いつになるやら」

2024年1月 ヘリからのリポート 
「隆起により港に水がありません」

漁師たちのなりわいの拠点となる港が壊滅的な打撃を受けた1年前。
輪島市や珠洲市では地震による海底の隆起で今なお、水揚げができない漁港もあります。

沖崎さんも半年以上、海に出ることができませんでした。

漁師・沖崎勝敏さん
「ごちゃまぜ。諦めもあるし、悔しいのはもう薄れてきたけど地震当初よりは。それでもやはり早く一歩でも徐々に進んでいくしかないし」

2024年9月から順次、漁の再開が叶った輪島港。

しかし、船の損傷や乗組員の不足から地震前の6割程度しか漁に出られない状況が続いています。

被災した港の荷捌き場。
海産物を分類したり、一時保管したりするための場所ですが3分の1は取り壊しが決まっています。

漁協は、荷捌き場を十分に確保できないことから、カニ漁では網を引き上げる回数を半分程度に制限。1回1回の網の引き上げに力が入ります。

漁師・沖崎勝敏さん
「とりあえずカニ解禁ができたことがよかったなと。無事に出られて良かったかなと思う」

弟・大佐さん(42)
「これだけで何十万だ。きょう1番でかいカニ」

地震によるカニ漁への影響が心配されていましたが、この日は豊漁。
輪島全体でも、水揚げ量は例年並みとなりました。

空が白み始めるころ、多くのカニを積み込んだ船は港へ。
水揚げができる喜びと不安の中、沖崎さんはまた漁に出ます。

漁師・沖崎勝敏さん
「まだまだ全然俺らにしてみたら、地震直後とそんな変わらないような感じはする。第一次産業が頑張って力をつけなければ、輪島の復興・復旧はまだまだかかるかなと思う。俺はもうやっぱり、漁師がんばるしかないかな」

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