地震は家族の当たり前の日常や未来も奪いました。妻と子ども3人を亡くした男性が歩んだ1年とは。
家族4人亡くした父親の1年 「妻と子どもの分まで生きる」大間圭介さん
「長男はポケモンが好きだった。長女はマシュマロとチータラ」
金沢市で暮らす警察官の大間圭介さん。
2024年の元日、珠洲市で起きた震度6強の地震で家族4人が土砂崩れに巻き込まれました。
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大間さんは地震直後、周囲を見回るため家の外に出て難を逃れましたが、妻・はる香さんと長女・優香さん、長男・泰介くん、次男・湊介ちゃんは犠牲となりました。
大間さん
「長男がお皿洗いしてくれたりとか。洗濯物畳んでくれたり。お風呂掃除してくれたり。(洗濯も)やり方分からなかったら電話してきてくれて。『お父さんどうやって洗濯機回すの』って」
幸せな家族の日常を突如として奪った地震。
大間さん
「生きられなかった時間を私が一生懸命生きて、あの子たちが経験できなかったこと、体験できなかったことを少しでも私がこの子たちと一緒に、妻と一緒にできたらなと思っています」
妻と子どもたちの分まで生きる。その思いを胸に大間さんはこの1年を過ごしてきました。
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2024年3月、大間さんが訪れたのは長女・優香さんが出るはずだった音楽コンクール。舞台には優香さんの楽器も。仲間たちが演奏する様子を目に焼き付けました。
7月には家族の生きた証を残そうと、友人らが寄せたメッセージを1つの本にまとめます。
しかし、時が経つにつれ大切な家族との思い出にある変化が生まれてきました。
大間さん
「いつも食事とかにぎやかだったので1人で食事をしていても静かだなって思いますよね。時間が経つと少しみんなとの思い出って、鮮明な記憶が少しずつやっぱり ちょっとぼんやりとしてきたというか、それはそれで寂しいなって」
それでも家族で決めたモットーが大間さんの背中を押します。
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大間さん
「うちの家族のモットーは『やれば出来る』というモットーがあったので。何か自分の人生の中で目標というか、生きる道しるべを見つけられたら、そういういいきっかけにできたら良いなという思いがあります」
臨んだのは、10月に開催された金沢マラソン。家族の写真を胸に、頑張っている父の姿を天国の妻や子どもたちに見せたい。
6年ぶりに挑戦したフルマラソンは、無事完走することができました。
あの日土砂崩れが起きた場所へ 『ただいま』『ありがとう』『ごめんね』12月中旬、決めたことがありました。それは、これまで行くことのできなかった珠洲市の現場へ向かうことです。
大間さん
「魂みたいなのはきっとあっちにいるんじゃないかなって」
そして2025年 元日の朝。大間さんの姿は家族4人が土砂崩れに巻き込まれた場所に。
妻・はる香さんの実家があったこの場所であの日、家族で過ごしていました。語りかけた言葉は『ただいま』『ありがとう』『ごめんね』…。
家族と乗っていた車を見つけました。
大間さん
「これですね…」
チャイルドシートも残されたままでした。
大間さん
「当時 楽しかった時のことを思い出したりだとか、家族のことを少し感じられる気持ちにもなった。来てみて手を合わせてみて、気持ちが少し楽になったかなというのはあります」