長崎空港ビルディング(NABIC)と全日本空輸(ANA)は2025年元旦、長崎空港開港50周年を記念した「初日の出チャーターフライト」を実施した。
ANAは2022年と2023年にも長崎空港発着で初日の出フライトを実施し、今年で3回目。長崎空港ビルディングとともに実施するのは今回が初めてとなった。世界初の海上空港として長崎空港が開港し、50周年のメモリアルイヤーとなる今年、記念事業の第1弾として運航した。
初日の出チャーターフライトの参加者は、長崎空港トラベルサービスが抽選で応募を受け付けた。311組、870名の応募があり、抽選で当選した147名が参加した。長崎空港は通常、午前6時15分が開館時間だが、初日の出チャーターフライトにあわせて、午前5時より受付をスタートした。関係者によると今回の初日の出チャーターフライトは、長崎空港の24時間運用化への実証実験的な意味合いもあるとのこと。
保安検査を抜けると、長崎空港ビルディングとANAから搭乗証明書やスナックなどが入った記念品を配布。長崎空港が位置する大村市の郷土料理「大村寿司」が提供されたほか、降機後も文明堂のカステラなどが入った今回のイベントオリジナルのバッグが配られた。
制限エリア内には、大村市にある富松神社のおみくじを無料でひけるブースを設置。元旦におみくじが引けるとあって、初日の出チャーターフライト参加者はこぞって今年の運勢を占っていた。
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搭乗口は7番ゲートを使用。午前5時30分からは記念式典が執り行われ、長崎空港ビルディングの衛藤勇社長と、今回のフライトを運航するANAウイングスの江島聖志社長が登壇。衛藤社長は「長崎空港は、1975年5月1日に世界で初めての海上空港としてスタートしました。今日、その50年目を迎える長崎空港から、長崎の空の上から2025年の初日の初日の出をご覧いただけ、格別の元旦になるということを信じております」と、感慨深げに語っていた。
[caption id="attachment_324848" align="alignnone" width="900"] ▲長崎空港ビルディング 衛藤勇社長[/caption]
ANAウイングスの江島社長は「本日の天候は晴れ。とても良好な状態ですので、初日の出フライトを存分に楽しんでいただけるのではないかと期待しています」とイベントの成功を祈念するとともに「今年2015年は大阪で万博も開催されます。今年も日本中あるいは世界中でご利用いただき、旅を楽しんでいただければと思っております」と、万博をきっかけとしたさらなる飛躍をアピールしていた。
[caption id="attachment_324849" align="alignnone" width="900"] ▲ANAウイングス 江島聖志社長[/caption]
記念式典には、ゲストとして長崎県で活動するかわち家が登場。人気の「祝い餅つき芸」を披露し、元旦のおめでたい雰囲気をより一層盛り上げていた。ちなみにイベントでついた餅は、降機後にきなこ餅とあんこ餅として乗客に振る舞われている。
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式典終了後、午前6時10分頃より搭乗開始。便名はNH2021便で、使用機材はボーイング737-800型機(機体記号:JA89AN)を使用。運航は前述のとおり、ANAウイングスが担っている。
午前6時39分に離陸したNH2021便は、まず西の五島列島へと進路をとり、そこから北上し対馬へ。日の出の時刻は午前7時14分頃で、対馬上空で何度か旋回し乗客は初日の出を楽しむことができた。
その後、壱岐島上空を通り、福岡から瀬戸内海を経由し、大分から阿蘇山上空を通過。熊本から北上して、雲仙や天草を眺めながら長崎空港に戻ってくるルートを飛行した。九州北部の観光スポットを空からまるごと楽しめるフライトとなっていた。
フライト後半にはプレゼントの抽選会も開催。座席番号の書かれたクジを乗客に引いてもらうなど、運営側と乗客が一体になって楽しめる内容となっていた。
今回の旅行代金は、普通席通路側が25,000円で、普通席窓側・中央は50,000円(翼の上は40,000円)。プレミアムクラスは60,000円という設定だった。
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来年の開催は未定だが、今年は長崎空港開港50周年ということもあり、長崎空港ビルディングとANAは今後も様々な記念行事を実施する予定とのことだ。(取材協力:NABIC、ANA)