Q. お守りに「効果」はありますか?
Q. 「お守りに、科学的な意味などはないと思っていますが、初詣で神社に行くと、何となく買ってしまいます。受験生などは、お守りをカバンにぶらさげていることが多いですが、やはり持っているだけで、安心できるものなのでしょうか?」A. 精神的な「プラセボ効果」が、よい結果につながる可能性もあります
お守りの「効果」や「ご利益」は、古くから信じられています。実際によい結果が得られ、成功体験になっている人もいるでしょう。科学的実証はありませんが、精神医学的に見れば、お守りなどを信じて持つことは、まったく意味がないこととも言えません。「プラセボ効果」という言葉を聞いたことはありませんか? 実際には何も効果がない偽薬でも、効果がある治療薬だと信じて飲むことで、本当の薬を飲んだかのような変化が起こることです。信じることが心身に影響を及ぼすことは、科学的にもよく知られています。
お守りなどを信じない人にとっては、ナンセンスに思われるかもしれませんが、信じて持つことは、お守りが「効果」を発揮するために、必要なことです。
学業成就であれ、商売繁盛であれ、日ごろからお守りを信じて持ち歩き、前向きな気持ちでそれらに取り組んでいくことで、望んでいた結果が手に入れられることもあるでしょう。
一方で、「このお守りを持っていれば、きっと大丈夫」と強く信じる気持ちは、「このお守りがないと、うまくいかない」という思いにもつながります。大事な日にそれを忘れてしまうことで、集中できず、本来の力が発揮できない、ということにもなりかねません。
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お守りには効果がなく無意味だと考えている方は、「持ち方によっては、気持ちをポジティブにし、前向きな行動を促してくれるツール」だと考えるのが、ちょうどよいのではないでしょうか。
中嶋 泰憲プロフィール
千葉県内の精神病院に勤務する医師。慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学中に自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人の心の健康管理の重要性を感じ、精神病院の現場から、毎日の心の健康管理に役立つ情報発信を行っている。(文:中嶋 泰憲(医師))