2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第16回となる本記事では、シングルのお正月の食事事情についてつづります(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆“シングルのお正月食事問題”が浮上
2025年、新年いかがお過ごしですか?
実家や義実家に顔を出さねば……など、皆様、いろいろと思うところがある季節ですね。
アラフォー独身の私はなんとも気楽(ごめんなさいね)。愛犬のゴールデンレトリバーと共に、お正月映画の殿堂「男はつらいよ」をひたすら1から順に観続けるという最高のチャレンジを楽しむ年末年始を過ごしております。
お正月は静かに自宅でゆっくり派の方、おせち、召し上がりましたか……?特に「シングルのお正月食事問題」、なかなか奥深いものが。
お正月だからと浮かれずあえていつもの食生活で、という考え方も最近ではあるのではないでしょうか?
私がかつてテレビ局のアナウンサーだった時代は、初日の出の中継に出させていただいたりとバタバタと忙しくさせていただいて、あんまりお正月らしさを感じる事がなかった記憶がありますが、テレビ局を退社した後は、それはそれはお正月準備は念入りに張り切ったものです。
人並みに家族でおせち料理を囲み、お雑煮を作り、31日には、近所のスーパーで梅の花の枝を買ってきて生けてみたり……「丁寧な暮らし」まではいけませんが、いわゆる伝統的な日本古来のスタイルを貫いていた時期もありました。あれはあれで楽しかったなあ。
◆セイコーマートのクリスマスケーキの美味しさにびっくり!
ですが、今回のお正月は実家での気ままなのんびりスタイル。しかもアメリカ人の父は、実はおせち料理が大の苦手だったと、この年にして初めて知り衝撃!
私が子どもの頃は札幌市内のホテルから毎年おせちを取り寄せていたのですが、当時は気づきませんでしたが、父は結構我慢して食べていたらしい……。あちゃー。なんかごめんね。毎年の事でなかなか言い出せなかったらしいのです。実はおせちに対して家族は苦手意識を持っている。これ、あるあるかもしれません。
そんな関係もあり、あえて2025年はお正月らしさを家から排除するという考えもありだなぁなんて、漠然と昨年秋位までは考えていました。
お正月に限らず、むしろクリスマスも排除しちゃおうか!? どうせ仕事だし! おひとり様だし! なんて、なかばちょっとやけっぱちの状態で考えていたのですが。
北海道のテレビ局でコメンテーターを務めさせていただいている私。その関係で地元コンビニ、セイコーマートのクリスマスケーキを試食させていただく機会が昨年ありました。
セイコーマート、略してセコマ。北海道を中心に展開されており、北海道ならではのお惣菜やお弁当類も美味。日本全国に実は根強いファンがついている地域密着型コンビニです。
私も日頃お世話になっていますが、その「セコマクリスマスケーキ」のあまりの美味しさにびっくり。これはケーキだけでもセコマで注文する価値ありだな、なんて思ったのです。
◆セイコーマートのおせちにお世話になることに
クリスマスなんて嫌いだい!! 家族やカップルのイベントなんて、今の私には縁がないんだ! という、なかばいじけたような心を少しずつセコマが溶かしていくような……。ほろり……。
そしてクリスマスケーキを注文する目的で店頭から商品カタログを持って帰ってきた私でしたが、なんとなんとそのカタログ、逆から開けば、おせち料理カタログになっているではありませんか!
おせちなんて下手したらもう食べることは今後二度とないかも、なんていう気にもなっていましたが、どれどれセコマおせちってどんな感じ……? とカタログを覗いてみたところ、2万500円や1万2000円といった価格帯のお品物の中に、「迎春お祝い御膳」という、なんとなんと3200円(以下、本体価格)の和風オードブルセットを発見!
2人前ということですが、え、これよくない!? 1人で食べるのありじゃない? と静かな興奮の波が私の中に起こりました。
紅白なます、伊達巻、黒豆、栗きんとんといったベーシックなポイントを抑えながら、とうもろこしの香ばし揚げ、ホタテの明太マヨソースあえ、カニ爪シュウマイ等北海道ならではのラインナップ。
これ、お値段的にも分量的にもちょうどいいんじゃない……? しかも早めの予約で220円引きと言うサービスぶり! はい! 予約! ということで結局クリスマスも、お正月も、私はセコマにだいぶお世話になったのでした。
◆イベントを良いとこ取りで、セルフで楽しむ
アラフォーおひとり様だと、さまざまなしがらみから解放されて気楽である一方で、もしかしたらこういうイベント事の季節は寂しいのかも? なんて勝手に危惧していた私。しかしむしろ、お気軽に季節のイベントをちょっとずつ、良いとこ取りでセルフで楽しむというのもアリだなと実感。
むしろ排除しよう! と頑なにならなくてよかったと感じています。やっぱりなんだかんだ、お正月に栗きんとんを食べると、新年だな〜という実感が湧きますね。
今年も自分で自分を楽しませてあげる感覚で、イベントごととお付き合いしていく所存です。今年もよろしくお願いいたします!
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中