PayPay銀行が12月4日から始めた「預金革命」が話題です。日本円と米ドルを両方預けると普通預金金利が2%になるというもので、円預金の金利はメガバンクの20倍です。発表翌日には、外貨預金の口座開設数がふだんの約40倍に増えたといいます。
ただ金利が2%になるのは、米ドルは預け入れ全額ですが、日本円は米ドルと同額相当までで500万円が上限です。たとえば、日本円を50万円、米ドルを30万円相当預け入れた場合、米ドル30万円分の金利は2%ですが、日本円は米ドルと同額の30万円までが2%で、残り20万円は通常金利の0.1%になります。
ちなみに12月4日から12月31日まで日本円と米ドルを50万円分ずつ預けると、1カ月分の利息は税引き後で約1千220円といいます。
本当にお得か、安心できるのか、4つのポイントを考えましょう。
【1】預金金利の2%はいつでも適用
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金利2%はキャンペーンではなく、先の条件を満たせばいつでも適用される点はメリットでしょう。しかし「金利は変動金利。金利情勢等により見直しを行う」とあります。いつまで2%が続くかはわかりません。 ほかの銀行の預金金利も同様です。日銀のマイナス金利導入時に普通預金金利を0.02%から0.001%に引き下げたり、今夏は0.1%に引き上げたりしました。預金金利はいつでも変わる可能性がある点に注意しましょう。
■変動金利、為替リスクも。半分は投資”という認識で
【2】外貨預金は為替の影響が大きい
たとえば、1ドル150円で50万円を米ドルに換金すると3千333ドルです(手数料は除外)。この3千333ドルを1ドル140円で円に換金すると約46万7千円となります。 外貨預金は為替によって損得が分かれます。為替の先行きは不透明ですから、安心はできません。
【3】2%を超える外貨預金も
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三井住友銀行の米ドル預金は、6カ月定期だと金利4%です。PayPay銀行は普通預金ですが、半年間預けたままでかまわないなら、より高利回りの定期預金という選択肢もあります。
【4】さまざまな手数料に注意
外貨預金は入金時に日本円から米ドルに、出金時に米ドルから日本円に換金するため、為替手数料がかかります。また、入出金に利用するATMの利用手数料など、さまざまな手数料がいくら必要かをチェックしてください。
PayPay銀行は話題性のある普通預金で、口座開設者の増加や知名度アップを図りたいのでしょう。私たち利用者にとっても悪い商品ではないと思います。
ですが、忘れてはいけないのが、外貨預金は銀行が破綻したとき1千万円と利息までは保護される「預金保険機構」の対象外だということです。【2】でも触れたとおり、為替リスクも伴います。つまり、外貨預金は“リスクゼロの預金”ではなく“投資”です。PayPay銀行の預金革命は“半分は投資”だと認識しましょう。
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