夫婦間や職場で人とコミュニケーションをとっていると、「思った通りに動いてくれない」と感じることは少なくありません。「自分のやり方が正しいのに」と、知らず知らずのうちに自分の正しさを押し付けてしまうこともあるでしょう。
【漫画】「待つ」ことの大切さについてスピーチしてくれた課長の話…全編を読む
そんな「正しさ」について深く考えさせられるエピソードを描いたのが、漫画家の吉谷光平さんがサイコミで連載している漫画『今どきの若いモンは』です。同作中エピソードのひとつ『「待つ」ことの大切さについてスピーチしてくれた課長の話』が、多くの共感を呼んでいます。
ある日、会社の後輩の結婚式でスピーチをすることになった課長が話し始めたのは「待つということの大切さ」でした。毎日生活しているとお互いに「こうした方がいい」「自分が絶対正しいのに」という場面がたくさんあると語ります。
参列者が「あるある」と共感する中、課長はじっくり話し合うことや時間をかけて歩み寄ることの重要性を説きます。しかし、それでも完全に分かり合えるわけではなく、「人はそう簡単に変わらない」と冷静に続けます。「自分の正しさを押し付けるのは傲慢であり、相手を遠ざける原因になる」という一言が、実は同話の以前に仕事を教えていた後輩が退職してしまうトラブルを抱えていた麦田の心に刺さります。
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そして課長が提案したのは、「想いを伝えたら、あとは信じて待つ」という解決策。たとえ自分と相手の正しさが違っていても、大切に思い合っていれば、いつかお互いを受け入れられる日が来るというメッセージでした。
結婚式のスピーチを通じて、課長が麦田に愛のあるメッセージを残す同話に対して、「自分の事を言われてるようにしか思えなくて泣いた」「胸にささるお言葉でした」など、多くの反響が寄せられました。『「待つ」ことの大切さについてスピーチしてくれた課長の話』を描くきっかけなどを、作者の吉谷光平さんに詳しく伺いました。
ーこの話はどんなところから生まれたのでしょうか?
自分の部下との関わり方や妻との関わり方で「自分のほうが正しいのに〜!!!」と、ついよくない考え方をしてしまい、反省することが多かったからです。
ー「自分が正しいのに」と思う時には「待つ」という答えに至った経緯を教えていただけますか?
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「自分が正しいのに!」と思ったとき待てないからこそ、石沢課長のような経験豊富な人間であればどう答えるかな?と考えたのがきっかけです。
ーこの話を会社ではなく、あえて結婚式のスピーチという形にしたのには何か意図がありましたか?
実は理由はいろいろあって……まず、夫婦と上司部下は少し似ている部分があるなと思ったのが1つ。そして、直接言うのは石沢課長としても麦田の上司としての成長を「待て」ていないことになってしまうということ。最後に結婚式という「儀式」を挟むことで漫画の章の切り替わりを表現したかったからです。
(海川 まこと/漫画収集家)
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