<全国高校ラグビー大会:常翔学園24−19大分東明>◇準々決勝◇3日◇大阪・花園ラグビー場
大分東明の白田誠明監督(49)はグラウンドを引き揚げる直前、悔し涙を流す選手たちを集めた。円陣をつくり、こう声をかけた。
「この敗戦は勝てそうで届かなかった。現時点では『負けた』っていう事実を受け止めないといけない。ただ、負けたからと言って君たちの進む人生で絶対にマイナスになることはない。絶対にプラスになることだから。負けたのは悔しい、悲しいけど、何も後悔はしなくていい。胸を張って大分に帰って、次のステージで頑張りなさい」
互角の勝負だった。7点差を追う、後半終了間際。連続でゴールラインへ攻め込むも、トライまであと1歩届かない。持ち味の大型FWを前面に出すも、要所で相手の鉄壁な守備を崩し切ることができなかった。試合巧者ぶりも見せられ、「相手の方が1枚上の部分が多かった。でも、間違いなく彼らはいいラグビーを見せてくれた。この大観衆の中でエンジョイラグビーをしてくれた」と感無量の様子だった。
選手同様、指揮官の目も潤んでいた。「このチームは個性も強くて、やんちゃな子も多かった。討論することも多かったですけど、それだけこの子らが『勝ちたい』、『頑張りたい』の思いが強かった。その思いに応えられなかった自分の力不足が情けない。(石川波)キャプテンは泣き崩れて『すみません』と謝る必要もなかった。負けたのは指導者のせいです」と振り返った。
|
|
現チームは、6月の九州大会で7連覇中の東福岡を決勝で下し、大会初優勝を飾った。九州王者の肩書を引っさげ、今大会は創部初となる8強入りを果たした。「大阪のチームにも全然、負けていなかった。東明高校の新しい歴史を築いてくれたと思います」と最後まで選手たちをねぎらった。【佐藤究】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。