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<アメリカンフットボール日本選手権ライスボウル:パナソニック34−27富士通>◇3日◇日刊スポーツ新聞社ほか後援◇東京ドーム◇観衆1万7694人
パナソニックインパルスが、雪辱のライスボウル制覇を遂げた。3年連続で敗れていた富士通フロンティアーズとの4年連続同一カードで、宿願成就のリベンジ。34−27で9季ぶり5度目の日本一に輝いた。
社会人と学生の王者対決から、Xリーグ同士の優勝決定戦に変わって4季目で初の頂点。2016年の前回Vを含め、昨季まで13年間チームを率いた荒木延祥氏(49)から高山直也新監督(39)に代わって1年目で、創部では50周年の節目に優勝した。MVPには、先月18日に第1子の男児が生まれたばかりのQB荒木優也(27)が輝いた。
痛恨の失策から、逆転劇が始まった。第3クオーター(Q)残り2分15秒、パナソニックQB荒木が富士通LBにサックを食らう。ボールをこぼし、攻撃権まで喪失。難なくタッチダウン(TD)を献上して13−20とされた。「ファンブルしたけど空いているWRが見えた。次は通せる」。最終の第4Q。まずは自ら6ヤードTDランで追いつき名誉挽回すると、次の攻撃も30ヤード超のパスを2連発。RB立川からQBの自身へ戻して投げるスペシャルプレーで27−20と再逆転する道筋を立てた。3年連続で苦杯の、過去10年で日本一8度の富士通に借りを返した。
4年前に現行方式へ変わってから初制覇。その間リーグ戦は23戦全勝も、この決勝だけ負けが続いた。11年から指揮した早大OBの荒木前監督も昨季退任。置き土産が、QBを本場の米国人から日本人に変えたことだった。「だからこそ過去3年は足りなかった想定を突き詰められ、細部まで遂行できた」と荒木。エース2季目に結実し、この4年で最多得点。「個人的にも先月18日に長男が生まれたので、日本一のパパになりたかった」と感動した。
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39歳の高山新監督も「荒木さんのチーム」と謙遜しつつ「一緒に味わった悔しさの結晶」を磨き直した。33歳で引退後に応援団を創設し、太鼓を3年間たたいていた男は「支えてくださる側の気持ちを知り、目指す、愛し愛されるチームを作りたくて」。コーチ2年を経て昇格1年目で大役を全う。「荒木さんと同じページを見て、選手と同じ目線で」1年を戦い抜いた。
青く染まった東京ドームのスタンドを見渡し「この光景を見るためにやってきた」と万感の主将LB青根と抱き合った。「インパルス・ファミリーの皆さん、お待たせしました。おめでとうございます!」。松下電工時代から創部50周年の節目に、日本一へ返り咲いた。【木下淳】
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