<第101回箱根駅伝>◇25年1月3日◇復路◇東京−箱根(5区間109・6キロ)
東京国際大、東洋大、帝京大、順天堂大が歴史に残るシード権争いを演じた。大手町のゴール直前までデッドヒート。4校中1校のみがシード圏外(11位)という残酷な状況の中、わずか7秒差で順大が涙をのんだ。東洋大は継続中では最長となる20年連続でシード権を獲得した。
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わずか7秒差。順大のアンカー古川達也(2年=橘)は、2年ぶりのシードを目の前で逃し、しばらく涙が止まらなかった。「悔しい。(スパートをかけた)東京国際大について行こうと思ったけど、相手が一枚上だった」。
明暗くっきりだ。東京国際大は4校中最後に鶴見中継所を通過。大村良紀(3年=浜松商)が21秒差を必死に追いかけ、まず古川に追いついた。すると「(順大の古川から)2人でシードを取りに行こうと声をかけられた」という。東京国際大の中村監督代行も「2分の1でシード落ちとなると精神的にきつい。前に追いついて4分の3になれば楽になる」と考え、結果的に両者の思惑が一致した。
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4人の集団走になり、古川は何度か前に出た。しかし「前からの風が強くて、すぐに後ろにつけられて」引き離せない。一方で、大村は「スパートは得意じゃないので、どこかで勝負しないと」と考えていた。
日本橋を渡り、大手町のに向けて左折したところで、大村は勝負に出た。「最後尾で力をためていたから最後まで出し切ることができた」。そこまでの揺さぶりで疲労していた古川には追いかける力が残っていなかった。「度胸が足りなかった。それまでに覚悟を持って行ききることが必要だった」。順大の長門監督も「彼らしい走りを貫いていれば」と目を赤くしていた。【沢田啓太郎】
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