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<第101回箱根駅伝>◇2025年1月3日◇復路◇東京−箱根(5区間109・6キロ)
青山学院大・原晋監督(57)が初優勝した15年以降で8度目の総合優勝を飾った。
04年の就任以来、常識にとらわれない発想で常に指導法をアップデート。学生長距離界のレベルを引きあげ続ける名将は箱根駅伝の未来にも思いをはせつつ、早くも来季の大学3大駅伝「3冠」と3連覇へ意欲を示した。
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8度目の優勝も格別だった。東京・大手町のゴール地点。原監督は選手たちの手で8度宙を舞った。「最高です。これほど幸せなことはない」。優勝回数と合わせた胴上げに「私も重いので。気分的には天高く上がっていったけど、6回目くらいからは『そろそろ辞めよう』と言って」とほほ笑んだ。
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近年は胴上げの高さこそ低くなってきたが、学生長距離の天井は押し上げ続けてきた。十数年前は1万メートル28分台のランナーは主流ではなかったが、当時から「チームで10人そろえる」と明言。実際に22年大会では、史上初めてチームエントリー16人全員を28分台のランナーで並べた。「常識を変えることが大切」。全体でも1万メートルのレベルは上昇。27分台の選手は前回大会で11人だったが、今大会は20人に上った。青学大も2区黒田朝日、3区鶴川正也、5区若林宏樹と過去最多となる3人が27分台。いずれも区間1桁台前半と好走した。「当たり前の基準が上がってきた」と実感する。
箱根の区間距離のほぼ倍となるマラソンへも、在学中から積極的に挑戦させる。「駅伝を通じて、30キロを走る距離は仕上がっている。残りの10キロなんて楽勝」。箱根でリセットするのではなく、2月以降のマラソンを視野に入れた指導を実践。昨年は10人が挑んだ。今大会4区区間賞の太田も挑戦する予定だ。
3月に58歳となる名将はビジョンにも言及。「近い将来に監督をバトンタッチする。強化を続けながら引き継ぎもしていく」と数年後の引退も示唆した。ただ、意欲は衰えない。「3連覇のチャンスがあるのは私たちだけ。狙えない布陣ではない。2度目の3冠も目指す」。黄金時代はまだまだ続く。【藤塚大輔】
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