【箱根駅伝】青学大の連覇もたらしたのは…トガった個性派集団の4年生たち 田中悠登主将明かす

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2025年01月04日 04:46  日刊スポーツ

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総合優勝を果たし、会見後に選手たちと写真に納まる青学大・原監督(後列左から2人目)(撮影・河田真司)

<第101回箱根駅伝>◇25年1月3日◇復路◇東京−箱根(5区間109・6キロ)



青学大が10時間41分19秒の大会新記録で、2年連続8度目の総合優勝を飾った。2位駒大に迫られる場面もあったが、復路は1度も首位を譲らず、2分48秒差で逃げ切った。“個性派集団”を9区田中悠登主将がまとめあげ、6区野村昭夢が区間新記録を獲得するなど4年生が中心となって躍動。15年からの4連覇以降、実現できなかった連覇を達成。青学大の新時代へ、最高学年がチームを引きあげた。


   ◇    ◇    ◇


出走した6人の4年生はゴール地点の東京・大手町に笑顔で集結した。前日に突然婚約発表し、同期から“宇宙人”と呼ばれる4区太田。3区鶴川のインスタグラムをブロックする5区若林。仲間から「転がり落ちろ!」と書かれたシューズを履き6区区間新記録を更新した野村に、練習中のジョギングで絶対に先頭を譲らない7区白石。その手で主将田中が宙に舞う。個性的な6人が、一様に人さし指を突き上げ喜んだ。


往路は鶴川がつなぎ、太田、若林の4年コンビで逆転に成功。2位に1分47秒差の復路で、その波に乗った。野村で3分49秒に突き放し、白石が巻き返されても、田中で再び突き放す。6人の力を結集させ、「4年生で勝たせよう」の誓いを実現させた。


主将は4年間を振り返る。「同期がみんなトガっている。まとめるのが大変だった」。実力が突出するがゆえに“21年入学組”は言動も飛び抜けていた。23年1月。箱根で3位に終わり、V奪還に向けて膝をつきあわせた。当時2年の田中らは3年に訴えかけた。「本当にこんなチームで勝てるんですか」。勝ちたい気持ちが先走り、盾をついた。先輩が受け入れ、チームはまとまり前回24年箱根奪還に結びつけた。


迎えた新体制。初のミーティングで、どこからともなく声があがった。「副キャプテンって意味あるの?」。例年は主将、副将、主務、寮長の「四役」を選出する。しかし今季は満場一致で副将を廃止。異例の「三役」とした。役職を設けずとも、副将の役目を意識。奇抜な集団だからこそ、全員が責任感を自負。過去2年は主将が箱根を走れなかったが、負担が軽減された田中は3年ぶりにジンクスを打破し出場を果たした。「最高の仲間と最高の景色を見られてよかった」と、同期の支えに感謝した。


昨年1月3日は寮で祝勝会を行った。走れなかった仲間には「(来年は)お前らに走ってほしい」と熱い言葉が飛び交った。1年後に鶴川、白石、田中が思いに応えた。9月に、数億円かけて改修工事した寮が完成。この日の夜は、新寮で初の晴れの席。王者の称号を手に、4年間に思いをはせる。【飯岡大暉】

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