日本各地のご当地インスタントラーメンを取り寄せ、旅行気分を体験しようという企画。今回から特別編として、約1年前に激辛王に輝いたご当地ラーメンの王座防衛戦を開催する。
その他の画像はこちら合計8品の王座防衛戦 負けた瞬間に王座が入れ替わる
●まずは先日決定した激辛王の紹介
さて防衛戦の前に、1年前に行った激辛王決定戦の内容をおさらいの意味でお伝えしよう。登場したのは激辛自慢のご当地ラーメン6商品で、以下の項目の合計ポイント数を競った。
・1口目の刺激度
・じんわりくる辛さ
・スパイスの複雑さ
・旨みとのバランス
3カ月にわたって開催したこの激辛王決定戦は、さまざまなドラマを生みつつ展開し、最後に登場した秋田の「なまはげ 激辛醤油らーめん」が優勝するというセンセーショナルな結末で幕を閉じた。その記録がこちら。
ひと口目の刺激度 ★★★★★
じんわりくる辛さ ★★★★★★★
スパイスの複雑さ ★★★★★
旨みとのバランス ★★★☆☆
合計20点
今回から行う防衛戦は、「じんわりくる辛さ」がルールを破って禁断の星7つを獲得したこの「なまはげらーめん」の記録と競う戦いであり、もし破ることができると二代目激辛王として君臨することになる。さて初代激辛王を超える強者は現れるのか。
●誰もが大好きなあのポップスター降臨
最初のチャレンジャーとして登場するのは「うまかっちゃん」のからし高菜味。ご存知博多のご当地ラーメンでありながら全国で販売される、超有名ラーメンのアレンジ商品だ。マイルドな味わいで人気のラーメンだが、この「からし高菜」に可能性が宿る。
ハウス食品「うまかっちゃん 博多からし高菜風味」
とんこつ味のインスタントラーメンといえばやっぱりこれ
というのも、筆者がとある豚骨ラーメン店でからし高菜を入れすぎてしまい、涙を流しながら激辛ラーメンを食べることになってしまったという、トラウマによるセレクトである。出来上がりを見てみると、確かにからし高菜らしい、緑の具材が浮かんでいる。ちらほらと赤い粉末も見えるが、その辛みのパワーはいかに。
スープは通称版よりもやや赤みがかっている
まずはスープからいただいてみると、「おー!」。さすがからし高菜風味、ひと口目の刺激は想像以上のパンチ力。全国のご家庭で愛されるブランドだけあり、ほんの少しだけピリッとする程度という結末もあり得たが、なかなかの辛味が口を刺激する。
麺は食べやすい丸麺でソフトな口触りだ
では、麺をズズズといただいてみると、クリーミーなとんこつ味にちょいピリ辛が足されており、「めちゃうまーい!」。しかし、どれだけ食べても激辛という表現からはほど遠く、額に汗が浮かぶが浮かばないか程度の、今ひとつの結果となってしまった。
総評
ひと口目の刺激度 ★★★☆☆
じんわりくる辛さ ★★☆☆☆
スパイスの複雑さ ★★☆☆☆
旨みとのバランス ★★★★★
合計 12点
からし高菜のトラウマのみで登場させたことにやはり無理があったのか、激辛王に到底及ばない結果に。ボクシングに例えると、1ラウンドであっという間にKOされてしまった感じ。
●焼肉屋の人気ラーメンで勝負する岩手の虎
2品目のチャレンジャーは、岩手の有名焼肉店「三千里」監修の商品。お店で圧倒的人気を博すカルビスープラーメンのインスタント版で、パッケージ写真の真っ赤なスープと旨辛の文字が関心を引くが、さて、その実力やいかに。実際に調理してみると、ラー油と思われる真っ赤なオイルがスープを覆いつくし、見ているだけで頭から汗が吹き出しそうなる。
小山製麺「三千里 カルビスープラーメン」
見ているだけで体温が上がりそうな真っ赤なスープ
さて、やはりスープからズズっといただくと、「あれー?」。見た目からの想像が完全に裏切られ、まったく辛くない。いや、辛くないわけではないけど、カーッと熱くなる感覚はほぼなく、むしろ焼肉のタレっぽい韓国料理特有の甘味がじわっと広がる。
ラー油と思われるオイルの下には赤茶色のスープが見える
もちもちとしたちぢれ麺で、スープもよく絡む
しかし、麺をいただいているうちにアラ不思議。コクの強い甘味の奥から、じんわりと辛味が浮かび上がり、やがて額にうっすら汗をかくほどの刺激。激辛とはいえないが、これぞ旨辛といった、奥行きあるスパイスが堪能できた。
総評
ひと口目の刺激度 ★★☆☆☆
じんわりくる辛さ ★★★☆☆
スパイスの複雑さ ★★★★☆
旨みとのバランス ★★★★☆
合計 13点
スパイスの複雑さ、旨みとのバランスが高ポイントだが、辛さのファーストインパクトの低さが足を引っ張り、全体としては伸び悩む結果。こちらもチャンピオンには到底、及ばなかった。
●2商品とも惨敗
さて、2商品とも惨敗となってしまった今回の激辛王防衛戦。次回もさらなる刺客がチャンピオンに挑む。ちなみに、こちらの勝負はラーメンのおいしさやクオリティーとは一切関係がなく、あくまでも辛さを比べているものなので、理解してほしい。(エフェクト・山葉のぶゆき)