写真はイメージです(以下同じ) こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
ハードルの低いマッチングアプリを筆頭に、婚活サービスはすっかり一般化。若い人がどんどん婚活市場に出てきています。皆さんは“婚活で苦戦する人”といえば「相手に求める条件が異様に厳しい“高望み”」や「婚活開始が遅くて年齢が高くて不利な人」、またはその合わせ技、を想像するのではないでしょうか。ですが今は、高望みをしていない若い女性であっても、婚活で苦戦するケースが増えています。
デザイナーの美咲さん(仮名・30歳)もその一人。24歳という一見婚活では有利な年齢で婚活をスタート、高望みをしていないにもかかわらず、結婚する前に6年も迷走した女性です。その間、本当にクセの強い男性たちにも出会ってきました。
◆複数のアプリを使って、出会うのは変な男性ばかり
周りが女性ばかりの環境で、過干渉気味な母親に育てられた彼女。24歳で婚活を開始しますが、それまで恋人がいたことはありませんでした。それもあってか、マッチングアプリを始めてみたものの、正しい努力の仕方が分からないのです。
うまくいくためには、「いいね」が集まる人気女性にならなくてはと考えた彼女。当時「男性にはBUMP OF CHICKEN好きが多い」という点に目をつけ、友人の付き添いでライブに行く程度の熱量しかないにもかかわらず、プロフィールにBUMP OF CHICKENのライブに参加したときの写真を載せていたそうです。結果、マッチング数は増えますが、心が動くことがない相手と薄い会話を繰り返すことが辛いという事態に。
迷走して、占い師にも頼った美咲さん。そこで「悪い縁を切らないと良縁が入ってこない。北にある神社に行くと良い」と言われて、北側で有名な縁結び神社に行ったこともありました。
26歳になるころには、Pairs、withに加え、メッセージを省略してお食事デートができるDineや、タップル、Omiai、Tinderなど複数のマッチングアプリを使うようになっていた美咲さん。来た「いいね」をさばくだけの受け身な女性が多い中、自分から積極的に「いいね」を送っていました。
その姿勢は素晴らしいと思います。ただ、出会えた相手は揃いも揃って変な男性ばかりだったのです。中でも、特にインパクトの大きかった3人の男性について話を聞きました。
◆新型コロナ流行中にバイキングって……
1人目は同じ大学出身の7歳年上のA氏。共通の話題もありチャットは盛り上がりました。彼から「おすすめの展示があるから、ランチを食べた後に美術館へ行かない?」と提案があります。当日彼が連れて行ってくれたお店は、ランチとしては高額な、一人約6000円の食べ放題バイキングでした。
当時は新型コロナの流行中だったため、美咲さんはバイキングに抵抗がありました。でも相手がお店を予約してくれていたので、渋々そのプランを承諾します。
◆自分で決めたランチの店で「高い」と文句を言い出す男
初デートのランチが6000円は相場と比べても高額です。バイキングなので会話がたくさんできるわけでもありません。A氏は自分が決めたお店なのに、会計時に「高い」と言いだしました。そこで美咲さんは気を使って、先に自分の分を支払い割り勘に持っていったのです。
すると、お釣りの100円を「あげる」と言って渡してきたA氏。その態度にモヤモヤさせられます。
バイキングのお店を出た後も「お金がないから美術館じゃなくて散歩にしない?」と8月の炎天下で言い出したそうです。
◆デートのつもりで行ったのに、“タダ働き”を求められる
2人目のB氏は土日勤務でシフト制の休み。そのため美咲さんと休みが合わず、デートの日程調整には少してこずったそうです。
やっと約束できた初デートで、彼がお店に入ってから「キャッシュレス派だから現金を持っていない」と言い出し、美咲さんは不安になります。奢らされることこそありませんでしたが、彼はそれ以上に非常識な行動に。
マッチングアプリで知り合い、その日は当然、デートのつもりで会っています。それなのにB氏はその場でデザイナーである美咲さんへ、副業でやっているチラシのデザイン添削を無償で求めてきたのです。プロに無料でアドバイスを依頼するのは失礼を通り越して搾取だと思います。しかも、断りにくい“初デート”という場で。
◆複数のアプリで「いいね」をくれた男性に会ってみた結果
3人目のC氏は、美咲さんが色々なマッチングアプリに新規登録するたびに「いいね」をしてくる43歳男性でした。
「今になって考えたら、Cさんは新規登録した若い女性に片っ端から『いいね』をしているだけだったって分かるんです。でもあの時は、自分から選んだ男性に近づいては失敗してしまって自信をなくしていたので、こんなに熱心に好意を寄せてくれるなら、会ってみようと思ってしまったんです」
案の定“手当たり次第”だったようで、その証拠にC氏はデート中に美咲さんに質問の一つもしてくることなく、一方的に仕事の自慢話をしてくるだけでした。
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婚活において若さは重要ですが、若いからうまくいくわけではありません。マッチングアプリでの出会いは手軽である一方、そのハードルの低さゆえの問題点や注意点も多くあります。それぞれの婚活サービスの特徴と正しい攻略法を知らないと、何歳でも苦戦してしまうのです。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt