2024年の大反響だった記事をピックアップ! まだまだあるジャンルに収まらない大人気記事はコチラ!(初公開2024年2月20日 記事は取材時の状況) * * *
いまだに「芸人の飲み会」に関するニュースが世間を賑わせている。
報道では、後輩芸人が先輩に対して女性を“献上”するようなシステムが芸能界にはあるともいわれている。あらたに被害を訴える女性が出てくるなど、騒動は大きくなっていく一方だ。ネット上には「そんな飲み会に、なんでわざわざ参加したのか?」という疑問の声も少なくない。
そんななか、「過去に300回以上も芸人の飲み会に参加した」というツワモノがナツさん(37歳・仮名)である。彼女は元芸能人。ここ最近のニュースを見て、“絶対に匿名”を条件に自らの経験を赤裸々に語ってくれた。
◆芸人の飲み会の幹事「献上といえば献上なのかなぁ……」
もともと大手事務所に所属し、アイドル活動をしていたナツさんは、現場で一緒になった芸人たちと仲良くなり、飲み会を開くようになったという。
「最初に飲んだのは中堅芸人で。その会にきていた他の芸人ともLINEを交換して、また別で飲み会して〜って感じで、どんどん人脈が広がっていきました」
知人の多いナツさんは飲み会の幹事を頼まれることが多かったそうだ。
「献上といえば献上なのかなぁ……飲み会のなかには、そういう誘いもあったかも」
◆あくまで後輩芸人が勝手に気を利かせてやったこと
ナツさんが重たい口を開く。
「私の場合は『A先輩と飲むんだけど、最後までOKな子っていないよね?』と、超申し訳なさそうに聞かれたんです。Aは当時、超人気でした。
誰でも知っているような人ですが、イケメンではない(笑)。私やまわりの人には、彼と最後までOKな子はいなかったんで断ったんですが『そうだよなぁ。変なこと聞いてごめんね』と言われて終了。でもこれって、Aが後輩に無理やり頼んだってわけではなく、後輩芸人が勝手に気を利かせてやったことなんですよね。芸人同士はタテ社会だから、へんに気を使いすぎちゃう後輩はいると思う」
奇しくもその後輩芸人はイケメン部類だったため、万が一、自分の方がモテてしまったら「気まずい」と考えての行動だったようだ。
「ただこれって、芸人同士の飲み会だけじゃなくてもありますよね。特に芸能界だと。私は自分が幹事の飲み会では、絶対こういうのは断っていました」
◆“芸人だったら誰とでも最後までOK”という女性も存在
とはいえ、女の子には最後までOKな子もいるという。
「そういうのOKの子が幹事の飲み会だと、裏で勝手にOKだと紹介されてしまうこともあったみたいです。それで嫌な目にあった子の話も聞いていたので、私は信用できない子が幹事の飲み会には行きませんでした」
ナツさんは芸人との飲み会は好きだが、夜の相手はしたくなかったそうだ。
「ただ、私も好みの芸人とは“致す”ことがありました。でも無理やりとか、嫌々で何かされたことはないですね。いま報道されている渦中の女性を否定する気は全くありませんが、たぶん世間が思っているよりも“芸人と飲みたい”っていう女性はすごく多いんですよ。なんなら“芸人だったら誰とでも最後までOK”なんて子を何人も見てきました。
自分からグイグイいって自らホテルに誘うような子までいました。もう大人だし、お互いが合意していれば別に『お好きにどうぞ〜』って感じでしたが、断られたことで逆ギレして、芸人のありもしない悪口をふれまわるような子もいましたね」
◆芸人との飲み会は「良い思い出」
ナツさんはそう過去を振り返りつつも、「うーん」と言葉を詰まらせる。
「私は女の子には“嫌なことはさせない”と決めていましたが、それでも女の子の『嫌』ってわかりにくいときがあるんです。本当はすごく嫌だったけど、場の空気を読んで、本当はすごく嫌で拒否の方の嫌なのに、『嫌よ嫌よも好きのうち』と勘違いしてしまった子もいたかもしれないです……」
「いま告発している女性たちを否定するつもりは一切ない」としたうえで、最後にこう語ってくれた。
「もう芸能界を引退して、結婚もして、今はつつましく暮らしているので。芸人さんとの飲み会三昧の生活には戻れませんし、良い思い出だと思っています。
ただラッキーだっただけかもしれないけど、飲み会がきっかけで仕事に繋がったり、ファンだった芸人さんと一緒に飲めたり、思い出すだけでも楽しかったなあ。いちお笑い好きとして、早く騒動が終わってくれたらいいなと願うばかりです」
<取材・文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720