SNS上で注目を集めた投稿について、その背景をあらためて取材する「バズ投稿のウラ話」。今回は、2024年1月に投稿された「目がバグる」ビルについて、投稿者のX(Twitter)ユーザー・きりしまはるなさんにその後の話を聞きました。
●「ゲームの遠景用に簡略化されたタワー」
きりしまはるなさんが公開したのは、千葉県のランドマーク「千葉ポートタワー」の風景。地上125.15メートル(避雷針を含めると137.25メートル)の高層建築ですが、絵を背景に貼り付けたかのように見え、まるで奥行きを感じません。
実はこれ、特定の角度から見た場合にのみ見える景色。本来、千葉ポートタワーの断面はひし形ですが、1面だけ見たら板状に見えるという仕掛けなのでした。
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「このタワー、プレーンにテクスチャ貼ってるだけか、マテリアルのシェーダーミスってる」と、CG用語で例えた表現も相まって、奇妙な写真は広く拡散。「目がバグる」「ゲームの遠景用に簡略化されたタワー」「人工衛星の羽根が落っこちたみたい」「これがほんとのビルボード」など、さまざまな反応を呼びました。
ねとらぼ編集部ではきりしまはるなさんに、その後発見したユニークなビルについてなど、話を聞きました。
●投稿の背景は
―― こちらのタワーに行かれた目的をお教えください
きりしまはるなさん: タワーに訪れた日は普段は「VRChat」というVRにおけるコミュニティーコンテンツで遊んでいる仲間とオフ会の日で、すぐ近くの千葉県立美術館にて開催されている「テオヤンセン展」を見に来ていました。そちらを見終えた後、昼食のため移動しようとしましたが、お昼まで時間があったので時間調節を兼ねてタワーを見に来ました。
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―― 実際にタワーを見たときの感想をお教えください
きりしまはるなさん: 実際にタワーを見た時、初見では特に特別な思いはありませんでしたが、自分は前述の「VRChat」にてVRで体験することのできる、いわゆる「メタバース空間」を制作している活動をしているため、3D空間における3Dモデルの見え方、構造などの知見があり、実際撮影した写真においては、エラーやミスによる3Dモデルの異常な見え方に当てはまっていたところが印象的で写真を撮影した次第です。
―― 投稿の反響に対する感想をお教えください
きりしまはるなさん: 投稿した際、私の身内で3Dモデリングや3D空間の知見がある人向けにわかってもらえれば良いと思って、写真の本文はあえて専門的な用語を使いました。当然こんなにも反応が伸びるとは夢にも思っていませんでした。中には何を言っているかわからないという反応も見られて、当然のことだと思っていましたが、こちらの意図を理解してくれている方や、特に仮想現実を現実世界に当てはめた「世界シミュレーション仮説」を引き出して反応してくれる方がいてうれしかったです。
―― その後、ユニークな建物を訪れる機会などはありましたか
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きりしまはるなさん: 今年はバイクも購入し、あれからいろいろなところに旅する機会が増えましたが、特筆するほどユニークな建物を見る機会はありませんでした。ただ、5月に再びこの日と同じメンバー+αで集まり大洗(茨城県)に行くことになりました。そこで大洗マリンタワーに訪れることになりましたが、こちらも千葉ポートタワーと同じような感じの違和感のある光景が見られ、写真に収めてXに投稿しましたが、そのときの反応はそこまで伸びませんでしたw
画像提供:きりしまはるなさん
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