1月4日(土)の放送では、ゲストにアース製薬株式会社 代表取締役社長CEOの川端克宜(かわばた・かつのり)さんがゲストに登場。これまでのキャリアについて振り返り、企業としての特色や、今後の展望について語ってくれました。
(左から)パーソナリティの岡本希実、アース製薬株式会社・川端克宜さん、山本凌大
◆アース製薬入社のきっかけは?
川端克宜さんは1971年兵庫県生まれ。1994年近畿大学商経学部(現・経営学部)経営学科を卒業後、アース製薬に入社。2011年役員待遇大阪支店長、2013年取締役ガーデニング戦略本部長を経て、2014年に代表取締役社長就任。現在はアース製薬株式会社代表取締役社長CEOと、グループ各社取締役会長を務めています。
岡本:まずは、2025年はアース製薬設立100周年ということで、おめでとうございます!
山本:2024年10月には100周年を記念して「BATON -トップを走り続けるためにいちばん大切なこと-」(ダイヤモンド社)を発売されたとのことで、のちほどそちらのお話も伺いたいです。早速ご質問ですが、アース製薬に入社したきっかけは何だったのでしょうか?
川端:学生時代に就職活動をするんですけど、営業職で入ろうと思っていて、特に何かをしたいってわけでもなかったのが本音なんですよ。今だとちょい悪オヤジみたいな、そういうカッコいいおじさんになるためには……っていう逆算で、最初はアパレル業界などで仕事を探していたんです。いくつかの会社から内定をいただいて入ろうと思っていたんですけど、当時付き合っていた彼女の話のなかで「え〜?」みたいな話になったんですよ。それでもう一度就職活動をやろうってことで、真面目な会社をあいうえお順から探そうかってことでアース製薬を。
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川端:(笑)。そんな感じでアース製薬に入ったんですけど、それもご縁だと思っています。
山本:新卒でご入社されて代表取締役になられたんですね。すごいです。
◆川端社長流“ビジネスマンの極意”
岡本:今、3年以内に離職して転職する割合は30パーセント以上と言われていて、数字が伸び続けているんですね。一方で、アース製薬さんは離職率がすごく低くてかなり印象的なんですよ。社員はどういった方が多いのでしょうか?
川端:古臭い考えかもしれないですけど、アース製薬のことを好きになってくれる人っていろんな人がいるんですよね。野球でたとえますけど、さまざまなポジションがあるじゃないですか。(仕事は)チームでできることですから、いろんな人が来てくれたらいいなと思っていますし、その思いが浸透しているのかなと感じています。
山本:続いての質問ですが、川端社長流のビジネスマンの極意を教えていただけますか?
川端:僕は「隣の芝生は青く見える」という言葉が好きなんですね。自分にも言えることですけど、あれやこれや話を聞くと他の人が羨ましく見えたり、「向こうに行けばいいことがあるんじゃないか」と思ったりするんですよ。
だけど今の社会って、そんないいことばかりあるわけがないんですよね。したい仕事があるか・ないかの軸で考えるのはアリだと思うんですけど、たとえば居心地のよさで考えてしまうと、次に行った先が本当に居心地がいいかなんてわからないじゃないですか。
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川端:そういう風に考えると「今の会社もアリなんじゃないかな」という思いにもなったりするんですよね。ビジネスの極意というか、前向きに考えられる方法ですね。
岡本:会社としてのビジョンはどのように掲げていらっしゃいますか?
川端:いい会社でありたいとか売り上げの目標はありますけど、それは日々の積み重ねだと思います。社員がいるので働きやすい環境を常々考えていければいいですね。自分なりに言うと「こだわりがないこだわり」があるんですよね。
世の中ってそんなにうまいこといくわけがないから、世の中の変化に対応していければいいやんか、ぐらいの感じです。こだわりをあまり持たずにやる、というこだわりがあればいいんじゃないかなと思っております。
山本:ありがとうございます。勉強になります!
◆もし20歳になったら何がしたい?
岡本:20歳と言えば、ちょうど就職活動をする世代だと思うのですが、もし、今20歳だったらどういった選択をされますか?
川端:僕らの時代だと20歳だとまだ就職活動は始めていなかったと思うんですよ。そういう意味では、今のほうがスピード感があるなと思います。昔は超アナログ時代で、当時は携帯電話もなかったですからね。20歳という楽しい時代に今のスマホとかSNSといったものがあったら、がっつりとハマっていたと思います。今の時代は情報過多って言いますけど、それはそれでいいなって思いますね。
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川端:それこそ20歳ぐらいに戻っていたら、デジタル業界も面白いのかなって思いますよね。今の自分が持っているスキルを考えるならば、想像はつかないです。僕らの時代の就職活動って、人気が高い仕事は銀行とか証券会社だったんですよ。情報関係の会社は当時まったくなかったわけです。すべてにおいて昔と今は全然違うから、比較するものでもないかもしれないですね。
◆若いうちに失敗は経験したほうがいい
山本:ここからは次世代へのキャリア開拓ということで、川端さんがキャリアアップしたい人や学生へ伝えたいことをお伺いしたいと思います。
岡本:今の新卒や第二新卒に企業として求められている働き方はどういうものだとお考えでしょうか?
川端:これから会社に入る人、特に1年目の方には、どんどん失敗したらいいよと(伝える)。無理やり失敗する必要もないんだけど、やった結果うまくいかなくても全然いいんです。あえて言いますけども、新入社員がする失敗ぐらいで会社がおかしくなるのであれば、その会社がおかしいわけですよ。
山本:たしかに!
川端:失敗をしてもそこから得られるもののほうが、たぶん多いと思うんですよね。歳を取ってから「知らんかった!」はカッコ悪いですし、知ったかぶりをしなきゃいけない場面も出てきたりするじゃないですか。そうならないように、できるだけ失敗はしたらいいんじゃないかなと思います。
◆アース製薬の歴史を紐解く書籍を発売
山本:「BATON -トップを走り続けるためにいちばん大切なこと-」(ダイヤモンド社)を読ませていただきました。川端社長ご自身が思う書籍のイチオシポイントを教えていただけますか?
川端:設立100周年ということで、最初は冊子を作ろうと思っていたんですけど、それだとそんなに読まれないと思ったんですよ。それってアース製薬らしくないなっていうことで、今回はみなさんから寄せられる質問にできるだけお答えできればいいなという思いから、本を作らせていただきました。
また、伝わらなかったら意味がないと思っていますから、できるだけわかりやすくすることを意識しました。大塚会長の話を織り交ぜながら、自分のキャリアと会社の成長を辿っていく内容ですので、あまり世の中にあるビジネス本とは視点が違うんじゃないかなと思います。
岡本:なるほど。
川端:ササっと読めると思いますし、読んでいただいた方から「すごく読みやすかった」と言われることがすごく嬉しいですね。
山本:本のなかには漫画もありますもんね。
川端:はい。読みやすさを目指して作った本ですので、ぜひ全体を読んでいただき、アース製薬の中身を少しでも知っていただけたらありがたいです。
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音声版「PROTO〜プロトタイプから、オリジナルへ。〜」
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<番組概要>
番組名:PROTO〜プロトタイプから、オリジナルへ。〜
放送日時:毎週土曜日 23:00-23:55
パーソナリティ:山本凌大、岡本希実(第1〜3週、5週)、森本千賀子(第4週)
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