卒業後は夢だった消防士に 高校最後の試合は大敗も…上田西DF東風谷崇太「最後まで戦い抜けた」

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2025年01月05日 17:07  サッカーキング

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流経大柏FW山野をタックルで止める上田西DF東風谷 [写真]=佐藤博之
 第103回全国高校サッカー選手権大会の準々決勝が4日に各地で行われ、流通経済大柏(千葉)と上田西(長野)が対戦。流通経済大柏が8−0で圧勝し、国立競技場で11日に行われる準決勝へと駒を進めた。

 第96回大会以来となる出場となった上田西はその大会ではベスト4に進出。今回はその舞台にあと1歩届かなかった。CBの東風谷崇太は「本当に強いの一言で。自分たちのレベルの差を感じる試合でした。一つひとつのプレーの強度や、寄せの速さ、受けてからの判断、受ける前の準備だったり、すべてにおいて相手の方が上で、格の差を感じました」と、高円宮杯プレミアリーグEASTで高体連最高の4位につける流通経済大柏との力の差を素直に受け入れた。

 失点は重ねたものの、上田西らしさも出せたという東風谷。「(4試合連続)中1日は本当にきつくて、疲労も完全には取り切れない中で。でも自分たちは3年間走ってきたので、走ってきたことをピッチ内で出すだけとはずっと言っていました。だからハーフタイムもそうですし、『とにかく走り続けよう』『走り抜いて、勝っても負けても、自分たちが納得できるような最後にしよう』と話し合っていました。苦しい時間が長く続いたんですけど、そういうときにみんなを鼓舞して、まだ終わっていないとみんなに言い聞かせて、みんなにもそれが波及して最後まで戦い抜けたので良かったと思います」と、チームが掲げる三原則『球際、声、ハードワーク』は示せたと話す。

 ただ、『声』の部分では足りない点もあった。3回戦の矢板中央(栃木)戦でCBの相棒であった緑川周助が右鎖骨を骨折し、準々決勝は欠場した。緑川について「本当に大きな存在と改めて感じた」と東風谷は話し、「誰が出てもとは、ずっと言っていました。でも、もっと緑川にもサッカーをさせてあげたかったというのはあります。3年間クラスも同じで、日常生活も助けられてばかりでしたし、プレー面でも助けられて。ミドリに勝利という結果で恩返しができなかった」と、勝利を届けられなかったことを悔やんだ。

 高校生活の3年間では「劣勢のときの自分のメンタル」が成長したという東風谷。高校卒業後は大学に進学せず、夢であった消防士を目指して消防学校に進む。サッカーからは離れることになるが、「声を出して、チームを鼓舞したりというところが本当に成長した」という姿勢は、次の人生にも生かされていくことになる。

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