第103回全国高校サッカー選手権大会の準々決勝が4日に行われ、東海大相模(神奈川)は明秀日立(茨城)に勝利し、準決勝進出を決めた。試合後、東海大相模MF沖本陸がメディア取材に応じた。
沖本はまさに“エース”に相応しい活躍を見せた。明秀日立に先制点を許し、難しい試合展開のなかで迎えた前半終了間際、小林晄也のクロスに反応すると、難しい体勢のヘディングシュートをゴールに沈め、貴重な同点弾を奪った。後半には、自身の「シュート」が高畑旺崇の得点に繋がってアシストを記録。得点場面の他にも、積極的にボールに関わって攻撃を牽引し、豊富な運動量で守備でもチームを支えた。
東海大相模の有馬信二監督も、沖本と小林について「彼らの今の調子の良さがこういう結果につながっていると思う」と手放しで称え、「ボールが収まるし、時間が作れるので、サイドの選手に走れるスペースが出てくる。あそこが簡単に失っていては攻められないし、中盤がサポートにいってもパスが出てこないという状況になるので、2人のキープ力というのは、すごくチームの力になっています。守備においてもかなり走れるし、体力があるので、相当効いていると思いますね」と絶賛していた。
明秀日立との激闘を終えた沖本は、「2回戦と3回戦で得点を決められなくて、何もできなかったので、今回決めることができて良かったです」と安堵の表情を浮かべ、「“エース”はチームが苦しんでいるときに助けるという役割だと思うので、しっかり仕事ができて良かったです」と充実感を漂わせた。
選手権初出場ながらベスト4進出を決めた東海大相模。好調の要因について、沖本は「チームの仲の良さ」と「強度」を挙げ、「お互いに言うことを言えて、チーム内で調整ができていると思います。練習の強度も上がって、昨年や一昨年よりもいい結果につながっていると思います」と明かした。
次の準決勝の相手は、流通経済大柏(千葉)。同校は、2回戦で佐賀東(佐賀)を5−0で下すと、3回戦で高円宮杯プレミアリーグ王者の大津(熊本)を撃破。準々決勝では上田西(長野)を驚異の8−0で下して勝ち上がってきた。
難しい試合となることが予想されるが、沖本は「流経は体がゴツくて、筋肉モリモリで強いと思うんですけど、今まで通り繋いで勝ちたいです」と決意を語り、「(明秀日立戦でも)後半の方はずっと押されていたんですけど、そこを守り切ったのは(守備の自信として)大きいと思います。ただ、さらに流経は強いと思うので、そこはしっかり練習で調整していきたいです」と意気込みを語った。
準決勝は1月11日(土)に『国立競技場』で行われ、流通経済大柏vs東海大相模の試合は14時20分キックオフ予定となっている。
【ハイライト動画】明秀日立 vs 東海大相模