NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天グループの社長が2025年の年頭所感を発表した。
2024年は電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドラインが改正され、端末購入プログラムで残債を免除する際の基準となる、端末の買い取り予想価格が見直された。改定前まではキャリア自らが買い取り予想価格を定め、そこに割引上限である4万4000円(税込み、以下同)以内の金額を足した額を免除していたが、改正後はRMJの予想価格が基準となり、「Pixel 9」など、一部のスマートフォンが値上がりした。
ドコモによるahamoのデータ増量で30GB化の動きが激しくなった1年だった。KDDIやソフトバンクもahamo追随を余儀なくされた。楽天モバイルも家族や若年層に向けた割引やポイント還元施策を導入し、携帯電話端末のみならず、料金施策も見逃せない年だった。
●ドコモグループ、ネットワークを含むサービス品質を向上 顧客やパートナーの声と向き合う
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NTTドコモグループは、新たな経営体制のもと、成長の新ステージに踏み出した、と2024年を振り返る。足元を見ると、コンシューマー市場では端末価格や通信料金だけでなく、経済圏全体での顧客競争が激化。法人市場では通信とソリューションを一体化したサービス競争となっている。
一方、スマートフォンの普及でトラフィックが増加し、安定したネットワークの提供や、災害に強いネットワークの構築が求められていることから、ドコモは信頼される品質を経営の最重要課題とする。さらに、AIを中心とした先端技術の進化に迅速に対応し、ビジネスモデルやサービスの変革を推進する。
ドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ・グローバル、NTTコムウェア4社一丸となり、顧客やパートナーの声と向き合い、迅速に応えていき、サービスの品質を高め、新たな体験や新しい体験を生み出す。
●「お客さま第一」原点のKDDI、顧客の声を商品・サービスに反映
KDDIは、気候変動や生物多様性への対応、地政学リスクを考慮したサプライチェーンの確保、人権問題への配慮、人口構造の変化による社会的格差の拡大、AI・量子などの技術による市場の変革など、企業経営の重要な要素を挙げた上で、人口減少や高齢化など日本特有の課題が昨今、浮き彫りになっている中、先進的な取り組みにより他国をリードすることが求められている、と前置き。このような中、KDDIは「お客さま第一」を原点とし、顧客の声を商品・サービスに反映させる方針を掲げている。
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現中期経営戦略の最終年度である2025年は、「サステナビリティ経営」の推進を通じて、経済・社会・環境の価値向上を目指す。5G通信技術やAIの活用、新ビジネスプラットフォーム「WAKONX」を基盤とし、新たな価値創出を進める。高輪新本社への移転を契機に、組織力を向上させる計画も示している。
そんなKDDIは1月1日から、auの「三太郎」シリーズの新年版を元日から放映。この他、日本国際博覧会(大阪・関西万博)では、未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」に、日立製作所と共同展示を予定している。
●AI社会を支えるネットワークや基盤構築の重要性増 ソフトバンクが果たすべき役割も増す
ソフトバンクは、2024年を「日本国内で能登半島地震や豪雨などの自然災害が相次ぎ、通信インフラの安定運用の重要性を再認識する年」と振り返ると同時に、生成AIを中心としたAI技術の発展が進み、本格的なAI社会の到来が実感できたとしている。
コンシューマー部門では、スマートフォン契約数の増加やブランド移行により、通信料の平均単価が改善し、モバイル売上が増加。エンタープライズ部門では、クラウド、IoT、セキュリティ領域が好調で、ソリューション売上が2桁成長を維持した。
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ソフトバンクは、4600億パラメーターの国産大規模言語モデル(LLM)の研究開発用の公開や、AI-RAN統合ソリューション「AITRAS(アイトラス)」の発表など、次世代社会インフラの実現に取り組んでいる。2025年は、AI技術の飛躍的な進化が予想され、AI社会を支える通信ネットワークや基盤構築の重要性が高まることから、ソフトバンクが果たすべき役割はますます重要になると考えている。
●独自経済圏を一層強める楽天グループ、「AIの民主化」を実現へ
楽天グループは独自経済圏を一層強める。インターネットサービス事業では国内EC流通総額が年間6兆円規模に達し、フィンテック事業では楽天カードの取扱高が四半期初の6兆円を突破。楽天銀行の口座数は1619万を超え、楽天証券の口座数も1165万に達している。
通信費の削減に貢献する楽天モバイルは2024年、プラチナバンド(700MHz帯)での商用サービスを提供し、全契約回線数が830万回線を突破した。このモバイル事業の成長により、楽天エコシステム全体が拡大し、年間グローバル流通総額は44兆円規模、グローバルメンバーシップは約19億人に達した。第3四半期において5年ぶりとなる営業利益四半期黒字化を達成した。
そんな楽天グループが目標に掲げているのが「AIの民主化」だ。楽天独自の技術基盤・AIソリューション「Rakuten AI」で、あらゆる業務の効率化や、顧客体験の向上を推進しており、パートナー企業の活動にもAIを役立てたい考えを示している。
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