明治安田生命保険の永島英器社長はインタビューに応じ、国内の事業環境について「円金利が低すぎたためドル建て商品一本やりのところがあったが、これから円金利が一層上がる中で、円建て商品の魅力が高まる」と述べた。国内の金利環境の好転を踏まえ、円建ての貯蓄性商品の販売を強化する方針を示した。
生保各社では、金利上昇を受けて契約者に約束する利回りである「予定利率」を引き上げる動きが相次ぐ。ただ永島氏は「いずれ金利が下がれば逆ざやになり得るため、これからはリスク管理と魅力の訴求を両立させる工夫が問われる」と指摘した。
その上で、顧客視点では「金利上昇が見込まれる中で長期間、利回りの低い商品に投資することへの不安も当然ある」と強調。市場金利に合わせて利率が変動する仕組みや、金利上昇時に配当で還元する商品の販売に注力する考えを示した。
同社は昨年、米中堅生保アメリカン・ヘリテージ・ライフを約3000億円で買収すると発表し、米国市場での事業を拡大している。今後の買収戦略について、永島氏は「人口が増えているからといって不安定な国は投資しづらい」と説明し、安定成長が見込まれる米欧やアジアの一部地域を中心に「チャンスがあればチャレンジしていきたい」と意欲を見せた。