米ロサンゼルスで現地時間5日に開催されたアカデミー賞前哨戦 「第82回ゴールデングローブ賞」で、アニメ映画賞を受賞した『Flow』。それは、ラトビア映画史上初の快挙だった。
【写真】今回のGG賞で4冠に輝いた『SHOGUN』チームの歓喜の表情
監督・製作・編集・音楽を一人で手がけた『Away』で、「アヌシー国際アニメーション映画祭」コントルシャン賞受賞など、鮮烈な長編デビューを飾ったラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目。
ラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目となる。24歳で完成させた『Away』を経て、制作に5年半を要し、多くのスタッフと共に作り上げられた『Flow』は、洪水にのまれつつある世界を舞台に、時には運命に抗い、時には流され漂う一匹の猫の物語。
ゴールデングローブ賞では、アニメーション映画として史上最高の興行収入を記録した『インサイド・ヘッド2』、4部門ノミネートの『野生の島のロズ』、日本でも大ヒット中の『モアナと伝説の海2』などの競合作品を制しての受賞となった。
本作の監督・脚本・音楽を手がけたギンツ・ジルバロディス監督は、受賞スピーチで「この映画は、とても小規模で若く、情熱的なチームのもと、大きな映画産業のない場所で作られた作品です。ラトビア映画にとって初めての機会で、我々にとって大きなことです」と語った。
続けて、「この作品は、とても個人的なストーリーでもあります。かつての作品ではすべて1人で手がけていた私が、本作では主人公の猫のように、チームを組み協力すること、仲間を信頼すること、違いを乗り越えることを学びました。今の時代、このことを忘れてはいけないと思っています。この小さな猫の映画を受け入れてくれてありがとうございます」と結んだ。
今月17日に発表となる「第97回アカデミー賞」アニメーション映画部門ノミネートへの期待も高まっている。なお、日本では3月14日より公開される。
■ストーリー
世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとする中、ある一匹の猫は居場所を後に旅立つ事を決意する。流れて来たボートに乗り合わせた動物たちと、想像を超えた出来事や予期せぬ危機に襲われることに。しかし彼らの中で少しずつ友情が芽生えはじめ、たくましくなっていく。彼らは運命を変える事が出来るのか?そして、この冒険の果てにあるものとは?