【高校ラグビー】2連覇達成の桐蔭学園の強さの秘訣は「変わらないこと」OB古財記者が語る

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2025年01月08日 05:16  日刊スポーツ

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第104回全国高校ラグビー・決勝 桐蔭学園対東海大大阪仰星 優勝した桐蔭学園・藤原監督(左)は申主将と握手を交わす(撮影・上田博志)

<全国高校ラグビー大会:桐蔭学園40−17東海大大阪仰星>◇決勝◇7日◇大阪・花園ラグビー場



桐蔭学園(神奈川)の強さの大きな要因として「変わらない」ことが挙げられる。試合中は藤原秀之監督(56)がメインスタンド前方に座り、冷静に試合を分析。グラウンドではFWコーチの金子俊哉コーチ(56)とセーフティーアシスタント(SA)のビブスを着用した福本剛コーチ兼トレーナー(51)が声を大にして選手に指示を送る。3人とも私が高校時代からの指導者で、毎年いつも通りの景色が広がっている。


「変わらない」からこそ、研さんが積まれていく。思い出されるのは私が高校2年時の07年度87回大会の東福岡との準決勝。前半に桐蔭学園が10点を先制。しかし、前半終了間際に桐蔭学園のキッカーが自陣から敵陣エリアへのタッチキックを狙うも外に出せず、相手FBにカウンターを食らって逆転を許し、後半で突き放された。強力なランナーを擁する相手だっただけに、試合後に藤原監督が「負けたのは俺の責任。試合前に『タッチキックをスタンドに入れろ』という指示が出せなかった」と悔しい表情で話していたことが強く印象に残っている。


花園で数多くの試合を重ね、敗戦から学んだことを必ず後世につないできた。藤原監督の引き出しの多さは計り知れず、年々洗練されていく。今大会でも前半終了後のミーティングで的確な指示を送り、後半でゲームプランをガラッと変えて逆転する試合が多く見受けられた。やはり「変わらない」からこそ成せる監督の“技術”だと思う。伝統の展開ラグビーと規律のとれた鉄壁の守備は、確実に年々進化を遂げている。


そんな母校のラグビーを毎年見るのが楽しみで仕方ない。今大会も現地で優勝の瞬間を見届けた。個人的には卒業後に20試合以上は現地で応援をしてきたが、負けた記憶がない。「現地観戦時無敗OB」として、来年の同校初3連覇達成を勝手ながらアシストします。【08年度88回大会 桐蔭学園ロック・古財稜明】

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