ドルトムントがマンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードに関心を示しているようだ。ドイツメディア『スカイスポーツ』が7日に報じている。
現在27歳のラッシュフォードはマンチェスター・ユナイテッドのアカデミーで育ち、2018−19シーズンからは背番号10を着用するなど、これまで“赤い悪魔”一筋でキャリアを積んできた。マンチェスター・ユナイテッドでは公式戦通算426試合出場138ゴール63アシストを記録するなど、長きにわたって主力として活躍を続けているものの、直近では状況が一変。昨年12月15日のプレミアリーグ第16節マンチェスター・シティ戦(○2−1)で突如としてメンバーから外れると、ルベン・アモリム監督はその理由を「練習中のパフォーマンスによるもの」と説明。昨年12月30日に行われた第19節ニューカッスル戦(●0−2)で5試合ぶりにベンチメンバーに復帰したが出場機会はなく、続く1月5日の第20節リヴァプール戦(△2−2)では体調不良のためにメンバーから外れており、マンチェスター・シティ戦後は依然として公式戦のピッチに姿を見せていない。
昨年12月17日には、ラッシュフォードが母校の小学校を訪れた際、ジャーナリストのヘンリー・ウィンター氏によるインタビューにおいて「個人的には新たな挑戦と次のステップに向けた準備ができている」と退団を示唆する言葉を発したこともあって、今冬の移籍市場におけるラッシュフォードの決断には大きな注目が集まっている。イギリスメディア『デイリーメール』によって、サウジ・プロフェッショナルリーグ(SPL)のクラブからの年俸3500万ポンド(約69億円)相当のオファーを3度も断ったことが報じられ、マンチェスター・ユナイテッドに残留するという見方もあるが、現在はミランやユヴェントスなどイタリアのクラブが獲得を検討している状況だ。
だが、ラッシュフォードに関心を示しているクラブはミランとユヴェントスだけではないようだ。今回の報道で名前が挙がったクラブはドルトムント。今季の公式戦20試合出場5ゴール1アシストを記録しているオランダ代表FWドニエル・マレンがアストン・ヴィラへの移籍へ近づいていることもあって、同選手の後釜としてラッシュフォードに注目しているようだ。
ラッシュフォードの現行契約は2028年6月30日まで残っており、獲得には移籍金が必要となるが、ドルトムントに高額な移籍金を支払う意思はなさそう。仮に今冬の移籍市場で獲得が決まるのであれば、レンタル移籍の可能性が高いと指摘されている。ただし、ミランと同様に、ラッシュフォードの1400万ユーロ(約23億円)と推定される高額な年俸が争点となることは明白で、マンチェスター・ユナイテッド側の許容できる条件次第となりそうだ。
ちなみに、ドルトムントは昨年1月、当時のエリック・テン・ハフ監督の下で構想外となっていたイングランド人FWジェイドン・サンチョ(現所属:チェルシー)をレンタル移籍で迎え入れた実績がある。背番号10を託されたサンチョは公式戦24試合のピッチに立って3ゴール3アシストを記録し、チャンピオンズリーグ(CL)決勝進出にも貢献した。夏の移籍市場ではマンチェスター・ユナイテッドにローンバックしたが、最終的にはチェルシーへレンタル移籍。当時、チェルシーが今季プレミアリーグを14位以上で終えた場合は買い取り義務が発生すると報じられていたため、来夏には2000万ポンド(約39億円)から最大2500万ポンド(約49億円)での買い取りが濃厚と見られる。冷遇されていたサンチョを復活させたドルトムントは、同選手のチェルシー行きにおいて、間接的に一役買った存在と言えるかもしれない。
いずれにせよ、ラッシュフォードには多くの選択肢が用意されている模様。ラッシュフォードは今冬の移籍を決断する場合、トーマス・トゥヘル新監督が率いるイングランド代表に復帰するチャンスが生じるほどの競争力があるクラブを希望していると伝えられているが、最終的にはどのよう決断を下すだろうか。仮にドルトムント加入となれば、同クラブは冬の移籍市場で2年連続マンチェスター・ユナイテッドからウインガーを迎え入れることとなる。
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