「横並びでジリジリと幅寄せ」“あおり運転”してきたサングラスの中年男性が、動揺した顔で警察に連行されるまで

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2025年01月08日 09:21  日刊SPA!

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※写真はイメージです
 ニュースなどで頻繁に取り上げられる「あおり運転」。被害者の精神的苦痛は深刻であり、トラウマにもなりかねない。
 自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険は今年、『2024年あおり運転実態調査』を実施。あおり運転をされたことがあるドライバーは72.5%であった。昨年の53.5%よりも大幅に上昇し、この半年間でも24.1%と多くのドライバーがあおり運転に遭遇していることがわかった。

 あおり運転に対して怒りを覚える人も少なくないはずだが、今回は彼らの自業自得な結末をお届けする。

◆突然猛スピードで迫ってきた白いセダン

 車通勤の横塚なお美さん(仮名・30代)。その日、横塚さんは残業で疲れ切っていたため、できるだけ早く帰りたい一心だったそうだ。

「少し渋滞していたのですが、適度に車間距離を保ちながら走っていました」

 その時、後方から急接近してくる白いセダンが目に入ったという。ヘッドライトを点滅させ、クラクションを鳴らしながら、まるで「早くどけ!」と言わんばかりの威圧感だったようだ。

「ミラー越しに見ると、運転手はサングラスをかけた中年男性で、なにやら怒鳴っていたんです。強い恐怖を感じましたね」

 その車はさらに猛スピードで、横塚さんの車に接近。横塚さんは、すぐに左車線に移動した。だが、相手は横並びでジリジリと幅寄せをし始めた。

「冷や汗が止まらず、『これは、本当に事故につながるかもしれない』と思いました」

◆ようやく差し伸べられた“救いの手”

 そんな緊迫した状況が数分間続いた後、突然、後方から大きなサイレン音が鳴り響いた。

「パトカーが私の車を追い越して、あおり運転の相手の車を停止させたんです。どうやら、警察は“この状況”を目撃していたようです」

 相手はしぶしぶ路肩に停車したという。そして、横塚さんも安全な場所に停車し、警察官に状況説明をするために近づいていった。

「警察官は、相手に対して厳しい口調で事情を聞いていました。彼は、明らかに動揺した顔をしていましたね」

 横塚さんは恐怖から解放されてホッとした。

「相手の無謀な運転に対して強い怒りを覚えましたが、さすがに怖かったので、文句は言えませんでしたけど……」

 その場で交通違反の切符を切られ、免許の減点処分を受けていた。さらに警察は「この件について詳しく事情聴取が必要」と判断し、相手は連行されていったのだとか。

「最終的には、相手が自業自得で痛い目に遭う結果となってスカッとしました。今後あおり運転がなくなることを、心から願っています」

◆一瞬で恐怖感に襲われた

 友人との食事に向かう途中、松田智樹さん(仮名・60代)は、暗くて細い道を運転していた。

「街灯もなく、見通しも悪い状況でしたので、いつも以上に慎重な運転を心がけていました」

 そんななか、突然後方から猛スピードで近づいてきた車にクラクションを鳴らされたという。

「このまま慌てて無理な運転をすれば、確実に事故につながると思いましたね。あおり運転の異常な動きに、一瞬で恐怖感に襲われました」

 それでも松田さんは冷静になるようにつとめて、後方の車に道を譲ることにした。

「狭い道で急な動きをするのは危険だと思って、スピードを落とし、前方に見えた駐車場を目がけて進みました」

◆衝撃的な事故とその後…

 駐車場に車を停め、後方の車が見えなくなるまで“じっと待つ”ことにした。松田さんの横を通り過ぎる際、相手は窓から手を振り回し、何かを怒鳴っていたという。すると……。

「その車がカーブを曲がろうとした時、突然大きく車が揺れ、すごい音が響きました」

 なんと、車はガードレールにぶつかり、ボンネットからは白い煙が出ていたそうだ。相手の運転手は気が動転しているのか、何度も周囲を見回し、頭をかかえたり髪の毛をかきむしったりしていた。

「すぐに2台のパトカーが現れて、警察官たちが対応していました。あおり運転をしていたようすは、監視カメラに写っていたので、証拠は十分だったと思います」

 後日分かったことだが、この運転手は、過去にも何度も危険運転を繰り返しており、今回で運転免許が取り消されたそうだ。

「この辺りの道路を運転する人たちが安心できるようになったと思いますよ」

 松田さんは、今回の事件が“冷静な判断が命を守ることにつながる”という教訓になったと実感しているそうだ。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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