前回からの続き。私(マイ)は、夫のトオルと2人暮らしです。お腹の赤ちゃんは女の子だそうで、楽しみで仕方ありません。夫の兄タツヤさんには、奥さんのミサトさんと2歳の女の子アンちゃんがいます。優しいミサトさんは私の憧れ。素敵なベビーグッズやお洋服も「お下がりであげられるように大切に使っている」と言っていました。しかし出産間近になってミサトさんが実際にくれると言ったお下がりは、私が欲しいと思っていたものではなかったのです……!
ミサトさんは三姉妹の長女です。妹さんたちとは面識はありませんが、次女のエミさんが先月結婚したという話は聞いていました。三女のハルカさんはまだ若いそうです。まだ妊娠もしていない妹さんたちのために取っておくの……?
私は腹が立ってきてしまいました。私のお腹のなかにはもうすぐ生まれる命があって、性別も女の子だと分かっています。なのにどうしてこっちを優先してくれないのでしょう? 私はミサトさんに直接聞いてみることにします。
ミサトさんが持っているブランド物をA級品とすれば、お下がりにくれようとしている品はB級やC級といったところでしょうか……。しかもまだ妊娠もしていない妹さんに取っておきたいからって……。その理由にも納得がいかないし、「あなたたちはこれくらいのレベルで充分」と言われているような気がして悔しくてたまりません。
夫たちを間に挟むから話がうまく進まないのだと思った私は、自分の率直な意見をミサトさんにぶつけます。いつも優しく包み込んでくれるミサトさんです。きっと私の言葉を理解してくれることでしょう。
【第4話】へ続く。
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