ネパールへき地の医療アクセス課題に取り組む特例認定非営利活動法人「ASHA」は、医療へのアクセスが十分でないネパール地方で一人でも多くの新生児の命を救う技術を普及するため、クラウドファンディングをスタートした。
ASHAによると、ネパールでは地理的・経済的・心理的な理由から、多くの妊婦が自宅での出産を希望している。しかし、出産に立ち会うのは日本のように資格を持った助産師ではなく、義理の母親や親戚など非専門家。出産時にトラブルが発生した際、適切な対応ができず、新生児が命を落としてしまうことがあるのが現状という。背景には「不十分な医療設備」、「医療従事者のスキル不足」、「住民の医療不信」があるといい、また、ネパールにおける新生児死亡率(推定)は出生数1000人あたり17人(日本は0.8人)というUNICEF(2024)のデータもあるという。
「地域側の医療体制を整える」ための具体的なプロジェクト内容は、まず、実践的なシミュレーションを取り込んだ新生児蘇生法の普及に、ネパールの小児科学会とともに、ネパール全国で取り組んでいく。また、ASHAの主な活動地であるネパールのLikhu Tamakoshi村から最も近い、Mantali市にある中核病院に、分娩中の母子の異常を早期に発見するための機器「CTGモニター」を導入、現地スタッフへの研修と合わせ、医療技術の強化を目指す。さらに、今までASHAが育成に取り組んできた「地域保健スタッフ制度」を継続、より充実させ、地域住民たちが健康面で頼れる地域保健スタッフのスキルアップや医療機関とのネットワークを強化していく。
支援は3000円から受け付ける。受付期間は2月28日(金)まで。目標金額は300万円。集まった支援金は、現地スタッフ人件費、ASHAスタッフ渡航・滞在費、研修用機材・教材代、研修費用(会場費や参加者の交通費補助)に充てる予定。
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