インドのジョージ駐日大使は7日、インド西部で建設が進む新幹線方式の高速鉄道の事業進捗(しんちょく)について「日印間に問題は全くない」との認識を示した。東京都内で時事通信のインタビューに応じた。同事業で日本政府は日本式の車両や信号システムの導入を見込むが、インド側が新たに自国製車両などの使用を求めており、双方の思惑の食い違いが伝えられている。
大使は、インドで6万キロを超える既存線路網の刷新への支援を含め、鉄道事業で「日本は重要なパートナーだ」と指摘。「困難があれば議論を通じて対処する。懸念はない」と説明したほか、「(高速鉄道の)列車が2027年までに走ると確信している」と強調した。
また、半導体分野での日印交流への期待も表明した。半導体製造の新たな拠点である西部ドレラに日本企業が進出していることを紹介した上で「数カ月以内に福岡に新たな領事館を開設する」と述べ、「日本の新たな半導体ハブ」と位置付ける九州との人的交流を促したいと語った。