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化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、公用文書毀棄(きき)や虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検されていた警視庁公安部の当時の捜査員3人について、東京地検は8日、不起訴処分(容疑不十分)とした。会社側は検察審査会に審査を申し立てる方針。
会社側は、事件の捜査で元取締役の島田順司さん(71)の供述調書が故意に破棄された上、破棄は過失だったとする虚偽の報告書が作成されたとして、2024年3月に取り調べを担当した警部補と捜査を指揮した警部を刑事告発した。
4月には、公安部が実験の一部データを削除して証拠を捏造(ねつぞう)したとして、警部に加えて実験の捜査報告書を作成した巡査部長を告発。警視庁捜査2課が11月、3人を書類送検していた。
地検は不起訴の理由について説明。破棄された供述調書に取調官の署名がなく、これが公用文書に当たるかどうかや、捜査報告書が虚偽と言えるかについて、「疑義があると判断した」としている。
島田さんは「厳重な処分がなされないと、組織を浄化することはできないとの思いで告発した。納得がいかない。不起訴ありきだ」とのコメントを出した。
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事件を巡る訴訟では、東京地裁が23年、東京都と国に計約1億6200万円の賠償を命じた。双方が控訴し、25年5月28日に東京高裁で判決の言い渡しが予定されている。【安元久美子】
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