働くことは、収入を得るだけでなく、規則正しい生活ができたり、人との交流が生まれたり、やりがい・生きがいを感じたりなどのメリットもありおすすめです。
今回は、60代で働く人の割合と、どのくらいの年収を得ているのかをご紹介します。
60歳以上で働いている人の割合はどのくらい?
内閣府「2023(令和5)年版高齢社会白書」の中では、60歳以上の人々の「就業率の推移」を確認することができます。60歳以上の年齢を5歳ごとに区切った2022(令和4)年の就業率は、以下のとおりです。【2022(令和4)年 年齢階級別就業率】
・60〜64歳:73%
・65〜69歳:50.8%
それぞれ、10年前の2012(平成24)年の就業率と比較すると、2022(令和4)年の就業率は、いずれの年齢階級においても伸びています。とくに、60〜64歳は15.3ポイント、65〜69歳は13.7ポイントと大きく伸びていることがわかります。
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男女別の就業状況は?
次は、男女別に就業状況を見てみましょう。【男性就業者の割合】
・60〜64歳:83.9%
・65〜69歳:61.0%
【女性就業者の割合】
・60〜64歳:62.7%
・65〜69歳:41.3%
60〜64歳までは、男女ともに、ほぼ働くのがあたりまえといえるほど多くの人が働いていることがわかります。さらに、65〜69歳は、男女ともにほぼ半分の割合が就業しています。
定年後、働いている人の平均年収はいくら?
次は、定年後、働いている人の平均年収を厚生労働省「2023(令和5)年賃金構造基本統計調査の概況」で確認してみましょう。それによれば、男女をあわせた60〜64歳の平均賃金は30万5900円で、年収に換算すると367万800円となり、65〜69歳の平均賃金は26万9800円で、年収に換算すると323万7600円となります。
男女別でみた平均賃金は次のとおりです。
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・60〜64歳:33万4200円(年収に換算すると401万400円)
・65〜69歳:29万3300円(年収に換算すると351万9600円)
男性の平均賃金のピークは、55〜59歳の42万7400円(年収に換算すると512万8800円)であるため、60〜64歳になると年収は約8割に、65〜69歳になると年収は7割に減ることがわかります。
【女性の平均賃金】
・60〜64歳:24万6600円(年収に換算すると295万9200円)
・65〜69歳:21万7100円(年収に換算すると260万5200円)
女性の平均賃金のピークは、50〜54歳の28万5900円(年収に換算すると343万800円)です。55〜59歳になると少し減り28万1700円(年収換算にすると338万400円)になります。60〜64歳の年収はピーク時期と比べ約8〜9割に減ります。さらに、65〜69歳になると年収は7〜8割に減ります。
女性の年収の減少割合は男性に比べると緩やかです。しかし、前述の男女あわせた平均賃金と比べても女性の平均賃金は、60〜64歳・65〜69歳のいずれも8割にとどまっていることから、男性との賃金差が大きいことがわかります。
まとめ
定年後も元気なうちは働いて収入を得ることができます。しかし、個々の体力、健康状態によっては働けなくなることもあるのではないでしょうか。老後は、健康面に気をつけながら身体にムリのかからない範囲で働きましょう。将来、収入を得続けるためには、給与収入に頼らない方法もあわせて考えてみましょう。その際、今までの経験やスキル、好きなことを活かしてみるのがよいのではないでしょうか。
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文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))