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2029年4月13日に地球のすぐ側を通り過ぎるとされている直径約340mの小惑星「Apophis(アポフィス)」。その探査計画が日本でも立ち上がった。
千葉工業大学惑星探査研究センター(千葉県習志野市)と情報通信企業のロフトワーク(東京都渋谷区)、世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティFabCafeの三者は1月8日、初の産学国際連携による小惑星探査プロジェクト「Project Apophis」の始動を発表した。アポフィスの地球最接近を前に、探査機による観測ミッションを行う計画だ。
三者は年内にコンソーシアムを立ち下げ、観測ミッション実施に向けた資金調達を行う。28年をめどに観測衛星を打ち上げ、29年にはアポフィスの観測を始める予定だ。観測情報発信のためのWebサイト公開や広報活動としてのイベント開催なども予定している。
●プラネタリーディフェンスの試金石に
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アポフィスは、地球軌道の側から金星の軌道付近までを323日かけて公転している小惑星。29年の最接近では地球に衝突する可能性こそ極めて低いものの、地球の地表から約3万2000kmと“静止衛星の軌道より近い場所”を通過するとみられており、地球上の広い地域で肉眼でも観測できると予想される。
一方でアポフィスの最接近は「プラネタリーディフェンス」の観点からも注目を集め、世界各地で探査計画が持ち上がっている。小惑星が地球に衝突すると予想された場合には、その軌道を変えるため、まず観測機により内部構造を調べる必要があるからだ。
アポフィスの最接近は、その試金石になるとみられており、NASA(米航空宇宙局)や欧州のESAが探査プロジェクトを予定している。日本のJAXAもESAの「Rapid Apophis Mission for Space Safety」(RAMSES)プロジェクトに協力すると24年11月に発表している。
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