高齢のおひとりさまにとって「入院や介護施設に入る際、身元保証人を求められたらどうしよう……」という悩みを持つ方が多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決する方法の1つに民間の身元保証支援サービスがあります。便利なサービスですが、利用には注意点もあります。今回は、身元保証支援サービスのデメリットについてご紹介し、今後の備えとして必要なことを考えてみましょう。
身元保証支援サービスとは?
身元保証支援サービスは、主に家族のいないおひとりさまの身元を保証するサービスです。身元保証支援を行う会社はたくさんありますが、それぞれ提供する内容は異なります。そのうち主なサービスは以下の通りです。主な身元保証支援サービス
・病院への入院・高齢者施設への入居時の身元保証・身元引き受け病院に入院したときや高齢者施設に入居した際の身元保証、退院・退院することがあれば身元引き受けも行います。手術が必要な際の立ち合いなどのサービスもあります。
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自宅で生活していて倒れることがあれば駆けつけてくれるサービスです。高齢になり持病がある場合でも、緊急のときに対応してくれれば自宅でも安心して生活が送れます。
・亡くなる前後の手続き
延命治療や終末期医療について事前に本人の意思を示しておけば、意識を失った後や判断能力を失った後、意思どおりのサポートが受けられます。また、死後の葬儀・埋葬の手配、行政手続き、利用していた各種サービスの解約、遺品の整理、相続の手続きも代行してもらえます。
身元保証支援サービスの4つの注意点
身元保証支援サービスはとても便利ですが、いくつかのデメリットや注意点があります。注意点1:サービス会社が倒産するリスク
身元保証支援サービスを提供している会社が倒産してしまうと、契約していたサービスを受けられなくなる可能性があります。また、預けていたお金が戻らないケースや、戻ったとしても一部のみになってしまうケースも考えられます。このリスクを避けるためには、信頼性が高く、長年の実績がある会社を選ぶことが重要です。注意点2:費用負担が発生する
親族や知人に身元保証を頼む場合、基本的にはお金はかかりません。しかし、企業に依頼すると、料金が必要です。
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注意点3:悪質なサービス会社の存在
残念ながら、一部には高額な料金を請求したり、サービス内容が不透明だったりする悪質な業者も存在します。このような会社に依頼してしまうと、金銭的なトラブルや、サービスが適切に提供されないリスクがあります。ネットや口コミなどでよく評判を調べてから利用するようにしましょう。注意点4:社会的な孤立が深まる可能性
サービスを利用することで一時的には安心できますが、日常的に支え合うコミュニティーや人間関係を築いていないと、長期的には孤立を深めてしまう可能性があります。あくまで、こうしたサービスは補助的な役割と考え、他者とのつながりを大切にすることが重要です。人とのつながりを大切にしよう
身元保証支援サービスは、一人暮らしのシニアにとって心強いサービスです。しかし、こうしたサービスに全てを任せるだけでは、万事安心というわけにはいかないでしょう。利用を検討する一方で、身近な人々とのつながりを大切にすることが非常に重要です。例えば、友人やご近所の方、親戚と定期的に連絡を取る習慣を持つことは、小さな一歩として始められる対策です。また、地域の高齢者サポートサービスや趣味のコミュニティーに参加することで、新しい人間関係を築くことができます。
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身元保証支援サービスをうまく活用する一方で、人とのつながりを意識して築くことで、より安心して豊かな暮らしを楽しむことができるでしょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))