インフルエンザ薬の予防内服が利用される年末年始や受験シーズン
予防内服が検討される機会として多いのが、以下のようなケースです。・受験生……入試シーズンの体調管理のため
・年末年始の帰省……混雑した交通機関の利用に備えて
・重要な行事や仕事前……結婚式や大事なプレゼンテーションに備えて
・基礎疾患がある家族との接触……感染リスクの高い方との接触に備えて
・学校や職場でインフルエンザが流行している時
予防内服・予防投与で処方される主なインフルエンザ薬と効果
現在、一般的に処方される、発症予防に用いられるインフルエンザ治療薬には、以下のようなものがあります。
・イナビル
・タミフル
・ゾフルーザ
これらは服用方法や期間が異なりますが、いずれも医師の処方箋が必要です。薬を適切に服用することで、75〜85%程度の予防効果があると言われています。
病院受診ではなく、オンライン診療で感染リスクを減らす方法も有効
従来はインフルエンザ薬の予防内服を受けるために、直接、医療機関に行く必要がありました。しかし、これにはいくつかの問題がありました。
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・診療を受けるまでの、待ち時間の長さ
・仕事や学校が忙しい場合、受診するための時間が作れない
そこで現在注目されているのが、オンライン診療です。オンライン診療には、以下のような利点があります。
・自宅から受診できるため感染リスクを避けられる
・待ち時間がなく、効率的に受診できる
・仕事の合間など、隙間時間を利用できる
インフルエンザ薬の予防内服を受ける際の注意点
インフルエンザ薬は早めに準備しておくこと
・流行期に入ってからでは予約が取りにくくなる可能性があります・薬の入手にも時間がかかる場合があります
正しい服用期間を守ること
・予防効果を得るために、医師の指示通りの期間服用することが重要です・自己判断での服用中止は避けましょう
予防内服は万能ではありませんが、重要な場面での感染予防の選択肢として有効です。
ワクチン・手洗い・マスク着用などの、基本的な予防対策と組み合わせることで、より確実な予防が期待できます。
筆者が勤めるクリニックでもオンライン診療での処方を積極的に行っており、多くの患者さんに喜ばれています。インフルエンザに感染するわけにはいかない、重要な場面に役立つ選択肢として、ぜひ覚えておいていただければと思います。
各務 康貴プロフィール
予防医療・内科・救急を専門とする医師。救急医療や在宅医療の現場に従事する中で、予防の重要性や予防に取り組んでもらう難しさを痛感。マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。歯科と医科を繋げるリリモアクリニック内科歯科の院長を務めながら、予防医療について幅広い情報発信を行っている。
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