堅守を支えた東福岡DF山禄涼平、自信と課題を得て大学サッカーでの活躍誓う「悔しさをずっと忘れずまた国立に」

0

2025年01月11日 23:55  サッカーキング

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サッカーキング

東福岡DF山禄涼平[写真]=金田慎平
 第103回全国高校サッカー選手権大会の準決勝が11日に『国立競技場』で行われ、東福岡(福岡)は前橋育英(群馬)に1−3で敗戦。東福岡のセンターバック(CB)山禄涼平にとっては「本当に悔しい」選手権のラストマッチになった。

 前半は東福岡が主導権を掌握していた。FW伊波樹生のゴールで先制に成功すると、以降は県予選から7試合連続無失点の堅守を披露。特にCB山禄は、抜群のスピードを活かしたカバーリングと安定感のある対人守備を見せ、前橋育英の攻撃を完璧に抑えた。今大会4ゴールを決めてきた前橋育英FWオノノジュ慶吏も、試合後に山禄との対決を振り返り、「競り合いが強くて、球際が強くて、気持ちがある選手で、すごくやりにくかったです。自分がボールを持っているときに強くプレスに来るし、今まで出来ていたことが、自由にやらせてもらえませんでした」と悔しさを滲ませるほどだった。

 しかし、後半に入ると試合の形勢は逆転した。CBの相方である大坪聖央にミスが生まれ、今大会初失点を喫すると、流れを止められないまま、あっという間に逆転を許して、チームは3失点。山禄が直接失点に絡んだわけではないが、「DFラインの選手として本当に悔しいですし、チームに申し訳ない気持ちです」と責任を感じずにはいられなかった。

「前半はチーム全体の守備意識がいつも以上に出来ていたと思うんですが、後半に2点目を取りに行こうと前のめりになって、相手がさらにギアを上げてきて、対応しきれなかったです。声掛けが足りなかった自分たちのミスかなと思います。特に失点したあとは前のめりになって、帰陣のスピードだったり、チームで1年間やってきたことが(出来ず)、攻撃的になりすぎてしまったと思います。県大会から失点していなくて、失点してからの立ち振る舞いは、選手権の舞台で経験していなかったので、その部分では相手の雰囲気になったときに盛り返せませんでした。自分の声かけが足りなかったと思います」

 試合後に多くの反省点を並べていた山禄。しかし、個人としてのパフォーマンスは、決して悪かったわけではない。本人も「全国でもトップレベルの選手たちと対峙して手応えもありましたし、高円宮杯プレミアリーグから継続してあまり“やられていない”という点では自信になりました」と手応えを感じる部分もあり、「1年間やってきたクロス対応の部分では、この大会でたくさん良い部分がありましたし、たくさんシュートブロックで体を張って出来ていたと思います」と、ポジティブな要素も見つけていた。

 高校卒業後は法政大学に進学予定。山禄は「この悔しい気持ちをずっと忘れずに、1年目から試合に絡めるようにしたいです」と宣言し、「大学サッカーを引っ張って、最終的には世代別代表、大学選抜、プロ契約を勝ち取りたいです。プロや代表に呼ばれれば、また国立に帰ってこれると思いますし、国立で悔しい思いを塗り替えられるくらい嬉しい思いができるように、しっかり東福岡で培ってきたものをさらに伸ばしていけるような、大学4年間にしたいです」と決意を語った。

 今大会で得た自信と手応え、そして、この悔しさを成長の糧に。大学サッカーでの活躍に期待が高まる。



【ハイライト動画】準決勝:東福岡 vs 前橋育英





    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定