流通経済大柏MF亀田歩夢(カターレ富山内定)は悲願の第103回全国高校サッカー選手権大会優勝を目指し、決勝で前橋育英(群馬)と激突する。
両校は2017年の第96回大会決勝で対戦。同試合はスコアレスで迎えた90+2分に榎本樹が劇的な決勝ゴールを決め、前橋育英が悲願の初優勝を果たした。
亀田は当時、まだ小学生だったが「その試合を見ていた」と言い、「そのとき一番流経に行きたいと思いました」と高校の進路を決めるきっかけになる試合だったと明かす。
「前育さんにも行きたい気持ちというのはありましたけど、流経から声がかかったので決めました。流経のサッカーは『自分と合っていない』と思います。ただ、逆にここで試合に出られたら目立つかなと思いました」
亀田は身長168センチ。体格的には恵まれているわけではなく、高校入学当初は守備も不得意。流通経済大柏の守備強度の高いサッカーは、前橋育英のスタイルに比べると、当時決して“相性が良い”とは言えなかった。
それでも、高校3年間で自らの課題と向き合ったことで、守備強度が向上。今では「前線の中でも、自分は守備は上手い方だと思う」と弱点は強みに変わり、「ボールを奪い切るという所は常に意識していますし、自分は守備が本当に得意になったと思うので、3年間で最も変わることができたポイントかなと思います」と自信を語るまでに成長を遂げた。攻守に隙がない、より完成度の高い選手になったことで、カターレ富山へのプロ内定も獲得。『自分と合わない』チームをあえて選び、課題を克服したことで、さらなる高みに到達できた。
「決勝では“流経魂”をみせたいです。プレーで圧倒するのはもちろんですけど、魂のところ。応援してくれている人たちもいるので、自分たちのサッカーをやりつつ、気持ちのところで絶対に負けず、日本一を取れたらなと思います」
自身を成長させてくれた“流経”への感謝と誇りを胸に。亀田は「先輩たちの借りを返したい」と決意を語った。
【ハイライト動画】準決勝・流通経済大柏vs東海大相模