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<ラグビー全国大学選手権:帝京大33−15早大>◇13日◇決勝◇東京・秩父宮ラグビー場◇観衆1万9035人
帝京大(関東対抗戦2位)が4連覇を果たした。5大会ぶり頂点を狙った早大(同1位)を33−15で破り、明大に並ぶ歴代2位の13度目優勝を飾った。他大学がなしえていないV4を2度達成。09年度の初優勝から16年で古豪に並んだ。
11月の関東対抗戦で初黒星を喫したライバルに、最高の舞台でリベンジ。チームをまとめた青木恵斗(4年=桐蔭学園)は桐蔭学園2、3年時とあわせて“個人6連覇”を達成。負け知らずの主将がチームに息を吹き込み、連覇をつないだ。
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開始2分の攻防が、勝敗を分けた。帝京大はキックオフから33秒でノックオン。ファーストスクラムで低く、鋭く当たる。陣形が崩れ、主審の右手が上がった。相手の反則と判定され、青木主将は雄たけびをあげた。ミスから一転、流れを引き寄せた。「相手もスクラムに自信があった。(勝って)勢いがついた」。その3分後に先制し、試合の行方を決めた。
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2カ月前の敗戦が転機だった。昨年11月3日の秩父宮。関東対抗戦で早大にスクラムで押され、17−48で大敗した。3連覇した対抗戦、大学選手権で継続中の連勝が34で止まった。最後の黒星は20年12月の慶大戦。入学前の出来事だった。就任3年目の相馬朋和監督(47)にとっても初経験。試合後、早大の大田尾監督から満足そうな表情で「やっと勝った」と声をかけられた。敵将の思いに「思い切り頭を殴られた感覚だった」と振り返る。
「早く負けたかった」。勝ち続けるうちに、いつしか後ろ向きになっていた。2日後の練習冒頭、選手へ正直に告白。「負けてすがすがしい。やっと先に進める」。前に進み始めたが、負けを知らないチームにとっては「地獄」の時間。練習の雰囲気は暗かった。打破するため、青木、副将のロック本橋拓、SH李らリーダー陣は連日のように集まった。出た答えは「これで勝てるだろうという空気になっている」。危機感が芽生え、意識改革に努めた。練習中は歩かない、エナジーを出す。おろそかになっていた基礎を徹底した。スクラムで負けたFW陣にも変化を求めた。合言葉は「8人でまとまる」。全員が役割を果たし、束でぶつかる意識を根付かせた。
2カ月後の再戦で、成果を発揮。何度も体をぶつけ、押し込んだ。先制トライのプロップ森山は「スクラムは1人で勝てないと痛感した。1人が負けても8枚がまとまったら勝てる」と実感を込めた。青木も「11月3日に負けた現実を受け止め、努力し続けた結果。負けていたスクラムで勝てた」とうなずいた。安定感あるBK陣も含め、全員で勝ち切った。指揮官は涙を流し「本当にすばらしい。目の前の瞬間を必死にプレーした成果。1人1人を抱きしめたい」とたたえた。負けても、立ち上がる。連覇の物語は、まだ終わりが見えない。【飯岡大暉】
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