<ラグビー全国大学選手権:帝京大33−15早稲田大>◇13日◇決勝◇東京・秩父宮ラグビー場◇観衆1万9035人
帝京大(関東対抗戦2位)が4連覇を果たした。
5大会ぶり頂点を狙った早大(同1位)を下し、明治大に並び歴代2位となる13度目の優勝を飾った。
早大時代に2度の大学日本一に輝き、日本代表8キャップを持つ今泉清氏(57)が現地で最終決戦を見つめた。
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早大は“らしさ”を見失った。風上で優位な後半。相手陣でラックからパス1つの単調な攻撃に陥った。前半の帝京大は防御ラインを上げながらも1度止まり、早大の出方を探っていた。パス1つでは狙いが定まり、面でたたみかけられる。左右へ大きく振り、スペースを作って攻めるのが早大の原点。過去に見せていたキックパスなど豊富な手札を持っていたはずなのに、出し切れずに終わった。
前半5分の先制トライ献上につながる場面。中盤での帝京大がこぼした球を安易に蹴り、再び相手に拾われた。「キープ・ザ・ボール」。今も昔も早大の強みは攻撃時に出る。セービングでボールを確保すべきだった。ビハインドの終盤は迷い、自陣から攻められない。日本代表FB矢崎らを擁し、相手は大きく振られることが最も嫌なはずだ。
対抗戦、大学選手権と全勝で、追う展開が少なかった事情はある。それはAチーム(1軍)の話。BやCの試合では劣勢もあったはずだ。その時にチーム全体でゲームプラン、打開策を突き詰められていたか。時間をかけて築いたチーム文化で「Aチームだけ」にならない帝京大に、真の強さがあった。(元日本代表)
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